《ニュース》

ウクライナを支援する西側諸国のマスコミが最近、ゼレンスキー大統領を含むウクライナ政府を批判し始めています。非難を浴びせているのは汚職問題です。

《詳細》

最も物議を醸したのが、米民主党寄りのCBSニュースが4日に報じた内容です。それによると、アメリカからウクライナに届けられた武器のうち、最終目的地に届けられたのは全体の30~40%だけだったといいます。原因は、ウクライナが抱える汚職と見られ、物資が横流しされている可能性です。しかし、ウクライナ政府から猛抗議を受け、記事のツイートが削除されました。

その後、米誌ニューズ・ウィークが「ゼレンスキーの物語は変化している」と題した記事を掲載します(10日付電子版)。寄稿したのは、前米大統領トランプ氏の元選対アドバイザーのスティーブ・コルテス氏。同氏は、アメリカがウクライナに大金を盗まれたというCBSのニュースを引いて、「アメリカの納税者は、自国にとって何ら重大な国益を持たない戦争をエスカレートさせるため、アメリカが所有しない数百億ドルを借りて、腐敗国家の無責任な指導者に財産を送っているのだ」と批判しました。そして、プーチン露大統領は「凶悪犯」であるとしつつも、ゼレンスキーは「腐敗した独裁者」であると酷評したのです。

西側のマスコミは報じなくなりましたが、戦争以前からウクライナの汚職問題は深刻なレベルであり、ゼレンスキー氏も例外ではないのは有名な話です。2021年に流出した「パンドラ文書」によると、ゼレンスキー氏は8億5000万ドル(約1100億円)もの隠し財産を持ち、その多くを大統領就任以降に増やしたといいます。同氏はお笑い芸人時代のパートナーとともに、英領ヴァージン諸島やキプロスなどに拠点を置く事業に関連したオフショア会社を複数所有し、そこから金銭を受け取っているという疑惑も浮上しています。

パンドラ文書のインパクトは大きく、同文書に基づいてつくられたドキュメンタリー映画「Offshore95」の試写が昨年10月に行われる直前にウクライナ国内で放映が禁止されたと、独大手紙ウェルトがこのほど報じています。

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