《ニュース》

欧州連合(EU)の欧州委員会は、ロシアからの天然ガス供給の途絶や減少に備えた緊急計画案を20日に公表しました。その中で、加盟国が来年3月までガスの使用を15%削減する自主目標も提案されています。

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計画案には、減少分を補うため、他地域からの調達や再生可能エネルギーの導入強化なども織り込まれていますが、それだけでは足りず、各国の削減目標も提案した形です。

具体的には、加盟各国が8月から2023年3月までのガス使用量について、過去5年間の同時期の平均使用量と比べて15%削減を目指します。導入には加盟国の過半数の賛成が必要で、26日のエネルギー相会合での承認を目指すとされています。

EUは21年、ロシアから1550億立方メートルの天然ガスを輸入。これは全体の4割にあたるため、代替調達を急ぐ必要があります。アメリカからは150億立方メートルの追加供給で合意、アゼルバイジャンから40億立方メートル分を追加で得る目途が立っていますが、全てを代替調達では賄えないと判断し、ガス使用量の削減を目指すことになったと報道されています。

ウクライナ情勢を巡り、EUはロシアから石炭と石油の輸入を停止するなどの制裁に踏み切っています。一方、ロシアはEUへのガスの供給を絞り込んでおり、欧州委によれば、過去5年間の平均と比較して、6月時点でガスの流量は3割以下に低下しています。

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