《本記事のポイント》

  • 都内の新築一戸建て住宅の屋根に、太陽光発電設備の設置を義務付ける条例制定に向けて議論が本格化
  • 台風や地震などの災害に弱く、ウイグル人の強制労働で作られる太陽光パネル
  • 「脱炭素は避けがたい潮流」との言説に騙されず、根本的な方向転換が必要

東京都は2022年度、都内の新築一戸建て住宅の屋根に、太陽光発電設備の設置を義務付ける条例の制定を目指している。東京新聞は3日、有識者検討会の議論を踏まえた中間まとめが、4月ごろにも公表される方針だと報じた。

小池百合子都知事は昨年12月7日の都議会本会議で、「新築建築物への太陽光発電設備の設置を標準化し、ゼロエミッション東京の実現を目指す」と述べ、環境確保条例の改正に意欲を示した。

改正案が成立すれば、延べ2000平方メートルに満たない住宅のような中小建築物を新築する場合、住宅メーカー側に太陽光発電設備の設置が義務付けられる。対象は、大手事業者の約50社に上り、日照条件などを考慮して、販売数の85%以上に設置する目標が課せられるという。達成できなかった場合は、事業者名が公表されるなどのペナルティーも科せられる方針だ。

一方で、国土交通省や環境省などが開催した有識者会議では、「消費者の追加の費用負担感が大きい」などの意見も見られ、政府は太陽光発電設備の設置の義務化は選択肢の一つとするにとどまっている。

台風と地震にめっぽう弱い太陽光パネル

太陽光発電の発電量は天候によって大きく左右される。太陽光発電への依存度を高めれば、その脆弱性が長期的な停電を引き起こしかねない。また"ガラス板"である太陽光パネルは、台風や地震などの災害に弱く、さらなる被害を生む可能性すらある。

大規模に太陽パネルが設置されるとなれば、「家々の屋根からパネルが落下する」「壊れたパネルに雨が降り、火災が発生する」などの災害リスクを高める(本誌2021年12月号「グレタ教は世界転落への道」)。

個人の自由意志と責任で家庭用太陽光パネルを設置することはまだ許容されるにしても、行政が設置の義務付けを行うのはあまりにも度が過ぎている。

世界シェアの半分近くがウイグル製のパネル、東京都は真っ青に

さらに危惧すべきは、ウイグル人の強制労働との関係だ。現在、太陽光パネルの中で最も安価で、大量に普及しているのが「多結晶シリコン方式」と呼ばれるもの。この多結晶シリコンの8割は中国製で、その半分が新疆ウイグル自治区で生産されている。

米商務省はすでに、ウイグルにある太陽光パネル5社を、「ウイグル族らへの強制労働や人権侵害に関与した」として禁輸措置対象に指定。ここに来て太陽光発電を推進することは、ウイグルでの人権弾圧に加担することになり、中国の人権弾圧への批判を高めている世界の潮流に逆行することになる。

まもなくアメリカで禁輸措置が本格的に発動されることになるだろうが、その時点で東京都は青ざめることになるだろう。

そもそも、地球温暖化説は数多くの矛盾点があり、長期的な気候サイクルを見れば、地球は今後、寒冷化する可能性すらある(関連記事参照)。壮大な虚構を鵜呑みにし、脱炭素に邁進すれば、エネルギー安全保障や国土の安全を危険にさらす。「脱炭素は世界の避けられない潮流」との言説に惑わされることなく、方向転換が必要だろう。

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2021年11月2日付本欄 「エコでなくエゴ」の太陽光主力電源化は日本の自殺行為 二酸化炭素排出を低減できる確実な技術は、核エネルギー【高田純氏インタビュー後編】

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2021年12月号 グレタ教は世界転落への道 もうすぐ始まる地球寒冷化

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2021年10月8日付本欄 日米財界人会議の声明「原発は基幹電源として重要」 原発の再稼働・増設を進め、国力を落とすな

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