2022年2月号記事

「ジョーカー」「万引き家族」

犯罪"推奨"映画を褒めるのはやめよう!


「年末年始、映画でも見て過ごそうか」という人も、"危ない"映画には、ぜひ気をつけられたい。


「平気で人を殺すジョーカーに憧れていた」

2021年10月、東京・調布市を走行中の京王線の車内で刺傷事件を起こした20代の男は、警察にそう語った。

ジョーカーとは、米映画シリーズ「バットマン」の悪役。19年にはその誕生談が映画化され、世界中でヒットした。

母と暮らす心優しい主人公。だが仕事を解雇され、精神病を抑えるために飲んでいた薬も、市の福祉予算カットのため打ち切られる。追い詰められる中、地下鉄の車内で襲ってきたウォール街のエリート社員たちを護身用の銃で撃ち殺したことをきっかけに、ピエロに扮する殺人鬼に変貌。そして社会に虐げられる人々の"英雄"となっていく──。

同作は、「新自由主義のなれの果てを描いている」などと絶賛され、ベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した。

それに触発されたのが冒頭の男だった。21年6月、職場で客からのクレームにより配置換えを打診され、自ら退社。恋人とも破局し、絶望する中、ハロウィンの夜に電車内で男性の右胸を刺し、周囲を放火した。ジョーカーに自分を重ね合わせたことが、容易に想像つく。

同映画を念頭に、大川隆法・幸福の科学総裁による霊言説法「天御祖神の経済学」ではこう語られている。

『犯罪とか貧困とかを正当化して、そういう社会をつくり出しているものの悪だけを暴くかたちが正しい』というふうなかたちで、評価されている面も数多くあるというふうに思います。ただ、一定以上の影響力を持ち始めると、これも、バランスを持った見方はしなければいけないのではないかと思います」(*)

社会への恨みを募らせ、犯罪を助長したりするような左派的映画をもてはやす風潮を、今こそ再考する時だ。

(*)大川隆法著『減量の経済学』(幸福の科学出版)に所収。

 

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