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世界七不思議の一つともされる、英イングランド南部の環状遺跡「ストーンヘンジ」。謎に包まれた同遺跡の解明が進んでいます。

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調査が加速したきっかけは、1958年の修復作業の際に石から切り取られた長さ1メートルの筒状サンプルが戻ってきたこと。調査に関わった人物によって2019年、60年ぶりにイギリスに返還されました。

もともと、放射性炭素による年代測定によって、5000年前~4000年前に造られたことが分かっていましたが、標本が手に入ったことで、CTスキャンやX線、顕微鏡などを用いた、より詳細な調査が可能になったのです。英ブライトン大学の地理学者デービッド・ナッシュ教授を筆頭に、調査が進められています。

昨年7月の発表では、巨石群の大半を構成する板状のサルセン石が、約25キロ離れた北方から運ばれた可能性が高いことが判明しました。最大で高さ9メートル、重さ30トンにもなる巨石をどのような手段で運んできたのか、さまざまな仮説が立てられています。

そしてこのほど、巨石の構成について新たな研究結果が発表されました(オープンアクセスジャーナル「PloS ONE(プロスワン)」で8月4日に公開)。

これによると、巨大なサルセン石の99.7%が石英(二酸化ケイ素)で構成されているとのことです。さらには、石英の結晶がモザイク状に重なることで接着剤の役割を果たし、それによって砂粒サイズの石英粒が強く連結して固まっているため、崩壊や浸食の影響を受けにくくなっているといいます。

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