記者会見で集団訴訟をしたと語るトランプ前大統領。画像は、米テレビ局WPRIのユーチューブチャンネルより(https://www.youtube.com/watch?v=LZkG7iK38Co)

《ニュース》

本誌・本欄で報じてきたように、GAFAを始めとするビッグ・テックへの締め付けが、世界各地で厳しくなっています。

震源地の1つであるアメリカでは、「独占的地位を濫用している」ことに関して、「反トラスト法(独禁法)違反」という側面から特に追及がなされてきましたが、いよいよ各社が行ってきた「検閲行為」そのものに対し、正面から切り込みがかかっています。

《詳細》

ドナルド・トランプ前大統領は7日(現地時間)、フェイスブック、ツイッター、グーグルの3社とそれぞれの最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグ氏、ジャック・ドーシー氏、スンダー・ピチャイ氏を相手取った「集団訴訟(Class Action)」を起こしました。

トランプ氏自身が原告代表として、フロリダ州マイアミの連邦地裁に提訴しています。

3社による検閲は、「米国憲法修正第1条(the First Amendment)」が保障する言論の自由を侵害する行為だとして、自身のアカウント回復及び懲罰的損害賠償を要求。さらには、裁判所に対し、各社が行っている検閲行為について即時停止を命じるよう求めました。

トランプ氏は同日行った記者会見で、次のように訴訟の意図を語っています。

「我々の訴訟は、(各社が行っている)検閲行為が、違法であり、憲法違反であり、そして非アメリカ的であることを証明するためのものです」

「我々は、ビッグ・テックに対して責任を問うているのです。これは、後に続くと思われる数多くの訴訟の先駆けとなるものです。この度の訴訟はそうした動きを導くものであり、我々の国にとって非常に重要なゲームチェンジャーであると考えています」

「我々は、民主党支持者であれ、共和党支持者であれ、無党派であれ、すべてのアメリカ人の言論の自由を守ることで、アメリカの民主主義を守ろうと立ち上がっているのです。この訴訟は始まりにすぎません」

集団訴訟に続き8日には、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に「なぜ私はビッグ・テックを提訴しているのか」と題して寄稿(インターナショナル版は9日付)。トランプ氏を"台風の目"として、「自由」を巡る議論がアメリカで沸き起こっています。

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