《ニュース》

アメリカの上院外交委員会はこのほど、中国に対する包括的な戦略を定めた「戦略的競争法案」を賛成多数で可決しました。

《詳細》

今回の法案では、「インド太平洋地域におけるアメリカの政治的目的を達成するために必要な軍事投資を優先する」とし、インド太平洋への対外軍事融資として総額6億5500万ドル、また同地域の海上保安に関するプログラムに総額4億5000万ドルの支出を求めています。

さらに、台湾を「アメリカのインド太平洋戦略にとって死活的に重要な要素」と位置づけ、米台の政府当局者間の交流を制限してはいけないとしています。

人権問題に関しては、中国政府による新疆ウイグル自治区における人権侵害への制裁発動を求め、香港の民主派に対する支援を強化すべきと明記。中国が世界各地で展開している搾取的な経済活動に対抗し、知的財産権の侵害などを厳しく取り締まるよう提唱しています。

日本のメディアではほとんど取り上げられていませんが、同法案は新型コロナウィルスの起源に関して調査することも求めています。具体的には、法案成立後180日以内に、アメリカの国家情報長官にコロナの起源に関するレポートを提出させるかたちです。

法案は民主・共和両党から強い支持を得ており、最終的には立法化されると見られています。

《どう見るか》