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外務省が23日に一般公開した過去の外交文書の中で、天安門事件に関して、欧米諸国と共同の中国への制裁について、日本政府が「長期的、大局的観点から得策でない」と反対する方針を明記していたことが分かりました。

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外交文書は、外務省のウェブサイトでも公開。事件当日の1989年6月4日の文書で、事件について「我々とは政治社会体制及び価値観を異にする中国の国内問題。対中非難にも限界」と指摘していました。

制裁については、「西側が一致して中国を孤立化へ追いやるのは得策ではない」「制裁措置を共同してとることには日本は反対」などとしており、中国の「改革・開放路線」の維持が望ましいとしていました。また別の文書では、「民主・人権といった価値観より、長期的・大局的見地を重視し、衝撃がなるべく小さくなるよう対処する」としています。

さらに、92年に天皇陛下が中国を訪問するに至った背景には、90年に中国の呉学謙副首相が来日した際、陛下との会見で直接要請しており、当時の日本政府は世論を懸念して非公開にしたということも分かっています。

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