香港の民主化を訴え続けているアルバート・ホー氏。

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は15日、記者会見を開き、容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議について、特定の期限を設けずに「延期する」と発表した。

当初は20日の採決を目指す計画だったが、高まる市民の反発を前に、譲歩を余儀なくされた形だ。

アメリカ、カナダ、イギリスなどの欧米諸国の政府は、香港政府の対応への批判を表明している。

しかし、日本政府の態度は曖昧だ。今月28~29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、安倍晋三首相は、27日に習近平国家主席との首脳会談を予定。中国政府に配慮していると見られる。

「安倍首相から習主席に直接言ってほしい」

香港で9日に起きた大規模な抗議デモを共催した香港の民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)主席の何俊仁(アルバート・ホー)氏は弊誌の取材に応じ、日本に対する期待について、次のように語った。

「各国の首脳が日本に集まるG20の場で、安倍晋三首相には、ぜひ香港の問題を取り上げていただきたいです。習近平氏に対して直接、100万人の香港人の抗議の声を伝え、『香港の自由と一国二制度を脅かす行動は慎むべきだ』とはっきりと言ってほしいです」

またホー氏は、ドイツの事例を基に、こう述べた。

「メルケル首相は2017年、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家で、獄中で末期ガンを患っていた劉暁波氏のドイツ治療受け入れを、習近平氏に対して直接申し入れました。しかしすでに手遅れで、劉暁波氏はその直後に亡くなりました。安倍首相には、香港の自由、そして香港を訪れる日本人の安全を守るためにも行動を起こしていただきたいです」

インタビューの詳細は、6月29日発刊の「ザ・リバティ」8月号で詳報する。

(国際政治局 小林真由美)

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