写真:新華社/アフロ

2019年5月号記事

国造りプロジェクト Vol.06

「平成後」の大戦略

「失われた30年」を逆転する

5月の改元をもって、平成の幕が閉じる。

次の時代を繁栄させるには、何が必要か。

「失われた30年」の失敗から学び、これからの約30年に向けた発展ビジョンを示したい。

(編集部 山本慧、長華子、山本泉、片岡眞有子)


contents


4「決められない政治」から脱却

日本の政界に巣くう現状維持の悪習。

それを一掃するには、どうすればよいのか。

今年は、4月の統一地方選と7月の参議選のダブル選が、12年ぶりに行われる選挙イヤーだ。

政治を変えて「失われた30年」を逆転したいが、「投票しても、何も変わらない」という空気が蔓延し、直近の衆院選では2人に1人しか投票しなかった。

例えば、憲法9条の改正。

自民や日本維新の会などの改憲勢力は2016年から3分の2を超える議席を占めており、いつでも改憲の是非を問える状態にある。安倍首相は13年に「日本を誇りある国にしていくためにも憲法改正にもしっかりと取り組んでいく」と力説したが、これまで3回の国政選挙を挟むも、改憲に踏み切らない。

何かと"言い訳"し、問題を先送りにする政治家の姿は平成の時代にも数多く見られた。国民が政治不信に陥り、投票しない人が増えるのは無理もない。

この 「現状維持の政治」をつくった原因の1つが、平成6(1994)年に導入された選挙制度「小選挙区制(小選挙区比例代表並立制)」だった。

次ページからのポイント

小選挙区制の導入は失敗

リーダーシップを発揮する