中国で一党独裁の終結を求める27日の「中国のジャスミン革命」集会の呼びかけが、これまでの18都市から23都市に増えたことが25日に明らかになった。これはインターネットの呼びかけによる。これまでどの民衆デモでもインターネットの役割が指摘されてきた。

では、ソーシャル・メディアは、民主化を促進するのだろうか。フォーリン・アフェアーズ(2月号)で、ニューヨーク大学教授・クレイ・シャーキー氏は、The Political Power of Social Media(ソーシャル・メディアの政治的パワー)と題して、この問題を論じている。

シャーキー氏は、ソーシャル・メディアを、市民社会と公共空間を強化するための長期的なツールとみなすが、民主化の要因とはみなさない。

なぜか。──鉄のカーテンの向こう側で、東ドイツ、チェコスロバキアその他の諸国で革命が起きたのは、飢えた国民がいたことが原因ではない(飢えただけなら、スターリンの1930年代、毛沢東の1960年代、金正日体制下のこの20年で革命が起きたのではないか)。体制に抵抗するだけの強さを持った市民社会が存在したことだ、という。そのとき、市民間のコミュニケーションツールは、付随的な要因にすぎなかったという。

たしかに思い出されるのはポーランドの「連帯」である。ポーランドの革命運動が強くなったのも、歴史家のポール・ジョンソン氏が指摘しているごとく、「神を信じ、神の命に忠実であることが、彼らの絶滅をねらうナチスと共産主義者に対抗する最高の防御──ほとんど唯一の防御になる」と知って、カトリック信仰を捨てなかったからであろう。

強固な市民社会がどこまで存在しているかということと、ソーシャル・ツールがどこまでできるのかを見極めること、それが中東に端を発する民主化革命の行方を占うのに必要な姿勢かもしれない。(HC)

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