新華社通信によると、中国の胡錦濤総書記は19日、北京の中央党校で開かれた会議で演説を行い、「情報、ネットの管理を強化し、仮想社会に対する管理の水準を高め、ネット世論を指導するメカニズムを整えよ」と指示した。読売オンラインが伝えている。

胡政権は中東で拡大する反政府デモにネットが大きな役割を果たしていることに危機感を強め、ネット管理をさらに強化し、一党独裁体制を揺るがす言論を徹底的に封じ込める構えを明確にしたという。

同じく読売オンラインによれば、中国のネット上ではチュニジアの政権崩壊に倣い、北京、上海、天津などの13都市で政治改革や民生改善を求める集会を開こうとの呼びかけが出ている。20日午後2時から指定の場所に集合し、「政治改革を実施せよ」「一党独裁を終わらせろ」などをスローガンに行動するよう呼びかけており、20日に集会が成功しない場合は、毎週日曜日に引き続き試みるよう求めている。AP通信によると、ネット上で集会の呼びかけをした複数の活動家が19日、当局に拘束された。当局は書き込みを即座に削除し、検索できないようにしている。

ネットで集会を呼び掛けただけで拘束され、書き込みが削除されるとは、中国が「言論の自由」も「通信の自由」も「集会の自由」も認めない独裁国家である何よりの証明だ。政治哲学者ハンナ・アーレントは、革命の本質とは圧制への単なる反抗ではなく「自由の創設」であり、政治の最高の理想もまた「自由の創設」にあるとした。中国で新たな革命がすぐに起きるとまでは思えないが、昨年のノーベル平和賞問題から引き続き、中国民衆が自由の創設を求める流れ自体はもはや止められないだろう。(T)

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