2017年10月号記事

Interview

愛と許しの心で差別はなくせる

ヤセ・ゴドロー

(Yase Godlo)南アフリカのヴィッツビジネススクールを卒業後、世界最大の会計事務所の一つであるKPMGに勤務。その後、ネルソン・マンデラ財団に奉職し、マンデラ氏のもとで働く。同財団で財経担当、社会奉仕およびネルソン・マンデラ・デー(*)担当などを歴任。

ネルソン・マンデラ財団

南アフリカ共和国で行われていた人種隔離政策「アパルトヘイト」と戦った、ネルソン・マンデラ元大統領が設立した財団。マンデラ氏の価値観とビジョンを受け継ぐべく設立された。

人種隔離政策「アパルトヘイト」と戦い続けたネルソン・マンデラ氏。
生前の氏を知るゴドロー氏に、後世の人々が受け継ぐべきマンデラ氏の遺志について聞いた。

(編集部 長華子)

――今も世界各地で、人種差別が続いています。どうしたら差別をなくすことができるでしょうか?

ゴドロー氏(以下、ゴ): 人種差別の背景には、自分と異なる人たちへの恐れがあります。恐怖から、「他の人を支配し、優位に立たなければいけない」という気持ちが生まれてきます。

差別や暴力をなくすためには、背景に恐怖があることを知り、他の人を理解するために努力することが大事なのです。

(*)マンデラ・デー 2009年に国連が制定した。マンデラ氏の誕生日である7月18日に、同氏が「アパルトヘイト」と「67年間」闘ったことを記念し、誰かの幸せのために「67分」費やすことを提案している。