トランプ大統領が窮地に追い込まれている。

米司法省は、トランプ政権とロシアをめぐる疑惑の真相解明に向け、独立性の高い検察官としてロバート・モラー元FBI長官を起用することを決定。理由は、この疑惑が連日のように報道され、公正な捜査を求める世論が日増しに高まっていることを受けてのことだという。結果によってはトランプ氏が弾劾裁判にかけられる可能性も出てきた。

他にも、トランプ氏が、訪米したロシアのラブロフ外相に機密情報を漏らしたと複数のメディアが批判。

また、今回解任されたコミー前FBI長官と2月にホワイトハウスの大統領執務室で一対一になったとき、当時ロシアとの結びつきを疑われていたフリン大統領補佐官について、「フリン氏を解放してやってほしい。彼はいいやつだ」と伝えたとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。これが前FBI長官に捜査中止を要求する司法妨害にあたるものだと批判されている。

共和党重鎮のマケイン上院議員は、この事態を受けて、「(ニクソン大統領が辞任に追い込まれた)ウォーターゲート事件に匹敵する」と述べ、トランプ氏を弾劾裁判にかける勢いだ。

だが、選挙のときにマスコミがこぞって報じた「ヒラリー優勢」が外れたように、マスコミが報じていることを鵜呑みにしては判断を誤る。本欄では、その理由を探ってみたい。

マスコミ世論はリーク情報でできている!?

「トランプは、黒だ」というマスコミ世論ができつつあるが、一連の疑惑について冷静に見てみると、あることがわかる。それは、そもそも問題ない行為だったり、発端がリーク情報だったりするということだ。