バチカン市国が2月上旬、違法な臓器売買に関する会議を開催しました。この場に、中国の臓器移植制度の責任者が招かれたことに対し、倫理問題の専門家や人権派の弁護士らが非難の声を上げています。

今回、国際会議に招かれたのは、中国の臓器提供移植委員会の黄潔夫主席。黄氏は、死刑囚などから違法に臓器を摘出し売買する行為に関わってきた疑いが指摘されています。

豪マッコーリー大学の医療倫理問題の専門家で、中国の臓器売買問題に取り組んでいるウェンディ・ロジャース氏は、今回、黄氏が会議に招かれたことを「衝撃的だ」と非難。主催者側に対して、移植システムが見直されたという中国側の主張を否定し、「中国が臓器システムを『改革した』と誤った情報を広めるためにサミットが利用されてはならない」と訴えました(8日付Epoch Times)。

臓器移植・売買問題は、中国共産党でもっとも残酷な国家的犯罪の一つであり、中国メディアの最大のタブーの一つでもあります。本欄では、2016年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画「知られざる事実(Hard to Believe)―医師がいかに殺人者となり、私たちがなぜ黙視してきたのか―」などで明かされている衝撃の事実をご紹介します。