天皇陛下は、今年1月の国会の開会式でお言葉を述べた。写真:AP/アフロ

2016年10月号記事

天皇陛下の本心

「生前退位」に隠されたメッセージ

学校で「天皇は日本の象徴」と習ったが、その意味までは……という人は多いはず。

その天皇陛下が今、イスを降りようとされている。御簾の向こうで何が起きているのか。

(編集部 山本慧、小川佳世子)


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「神々と交流する場」が皇居にはある

宮中三殿は、賢所、皇霊殿、神殿の建物の総称。賢所は、皇室の祖である天照大神を、皇霊殿は歴代天皇と皇族の御霊、神殿は国中の神々をそれぞれお祀りされている(画像は宮内庁提供)。

「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」

8月8日、天皇陛下が自らのお気持ちについて、国民に向けたビデオメッセージでこう述べられた。国民に対して直接語りかけられたのは、即位後2回目で稀なこと。

「生前退位」の意向を強くにじませる内容に、テレビのニュースでは、やれ皇室典範を変えるだの、やれ男系を守るべきなどの"重量級"の用語が飛び交う。

ムズかしい用語を知らない人にとっては、退位はまるで"隠居話"。だから、退位の理由も「結局、お疲れだから」と思うかもしれない。

そう思うのも無理はない。だが、陛下の思いや役割を知ってから、生前退位を考えてみては。

次ページからのポイント

国民と困難を分かち合いたい

天皇の祈りは公そのもの

生前退位よりも根深い問題