写真:AP/アフロ
2016年7月号記事
借金1000兆円になった理由とは?
自民党の正体
自民党は、「国の借金1000兆円」と言う。
しかし、このほとんどは自民党政権でつくられた「自民党の借金」だ。
ここまで増えてしまった背景には何があるのか。
選挙前に知っておくべき「自民党の正体」とは。
(編集部 大塚紘子)
Contents
データで見る自民党
1000兆円の借金を築いた「自民党幕府」 p.20
建設 許認可で票を集める p.22
農業 農業改革で「補助金漬け」はなくなるか p.26
医療 年間40兆円の医療費は減らせるか p.28
年金 バラまかずにはいられない自民党 p.30
contents
データで見る自民党
1000兆円の借金を築いた「自民党幕府」
巷では、田中角栄ブームが起きている。角栄氏と言えば、お金で政治を動かす「金権政治」のイメージがある。ただ、高度経済成長を支えた政治手腕は、高く評価されるべきだろう。
実は、現在の借金体質をつくった大きな要因は、田中政治やリクルート事件などの金権政治の反省のもと、1994年に導入された選挙制度「小選挙区制」だ。それまでの中選挙区制では、大半の選挙区で複数の当選者が出るので、特定の業界から支援を得れば、一定の票数を確保でき、選挙に勝てた。
一方の小選挙区制では、1つの選挙区で1人しか当選しない。自民党は、特定の業界と結びつくだけでは当選できなくなり、業界との癒着は弱まった。だがその代わりに、国民へのバラまきに力を入れたと言える。その結果、94年以降の借金の推移を見れば明らかなように、借金は急増し、今や1千兆円を超えた。GDPも横ばいが続いている。
許認可で票を集める自民党
企業献金が減って、税金を“収入"にした自民党
自民党の農業改革で「補助金漬け」はなくなるか
年間40兆円の医療費を減らせない自民党
バラまかずにはいられない自民党