米国の喉元に迫る中国の魔手 ─ 経済危機のキューバを狙う「債務の罠」【チャイナリスクの死角】
2026.10.15
国際政治学者
佐久間 拓真
(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。
カリブ海の要衝に位置する社会主義国キューバは、長年にわたるアメリカの経済制裁と独自の経済的失政により、かつてない深刻な経済危機にあえいでいる。日々の生活苦やインフラの崩壊に直面し、疲弊しきった国家の足元につけ込むようにして、中国が圧倒的な資金力を武器とした強烈な経済的・戦略的浸透を進めている。
表面上は南南協力や友好的な経済支援を装うものの、その実態は、巨額の債務で相手国をがんじがらめにしてインフラを掌握する経済的侵略にほかならない。米国本土の目と鼻の先にあるカリブ海で繰り広げられるこの巧妙な覇権争いは、国際秩序を根底から揺るがす重大なチャイナリスクとして、世界的な警戒を集めているのである。
経済危機につけ込む中国の「債務の罠」
キューバに対する中国の接近手法の常套手段となっているのが、返済不能を見越した巨額の融資とインフラ投資による囲い込みである。深刻な経済破綻に瀕したキューバに対し、中国はこれまでも交通機関の近代化や通信分野において大規模な資金供与や債務の繰り延べを行ってきた。
しかし、実質的な返済能力を欠く国家への巨額融資は純粋な善意の援助などではなく、相手国を経済的に完全に従属させ、戦略的な権益を合法的に剥ぎ取るための巧妙な債務の罠に他ならない。現地の重要インフラにおける中国企業のプレゼンスが急増する一方で、キューバの対中依存度はすでに不可逆的な危険水域に達しつつある。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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