テーマパーク:その魅力の謎に迫る (第10回)
2026.08.09
《本記事のポイント》
- 広大なウォルト・ディズニー・ワールド
- ウォルトが夢見た実験的未来都市
- 巧みな擬似体験レストラン
さて、前回は、未来予測の話から入り、SFプロトタイピングの話題を提供しました。今回からは、海外のテーマパークをご紹介しようと思います。
世界最大のテーマパークリゾート
やはり真っ先に紹介しておかなくてはならないのは、米国フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下WDW)になります。1955年にディズニーランドをオープンさせたウォルトが次なる目標として掲げたのが、このWDWプロジェクトでした。
まず、現在の東京ディズニーランドの原型ともなったテーマパークとしてマジックキングダムが1971年に開業し、その歴史のスタートを切ったわけですが、なんと日本の山手線内側の約1.5倍の面積という見渡す限りの湿地帯であるフロリダの敷地内に、現在では4つのテーマパーク、2つのウォーターパーク、エンターテイメントエリア、20以上の直営ホテル、ショッピングモール、ゴルフ場等で構成されており、世界中から観光客が集まる長期滞在に適した総合リゾート施設となっています。
ウォルトが目指した実験的未来都市
そのWDWの中で、計画当初より中核的なコンセプトを持つ存在が、後にテーマパークの1つとして1982年に開業する「エプコット(EPCOT)」になります。このエプコットとは、「実験的未来都市(Experimental Prototype Community Of Tomorrow)」の略称であり、現在は、近未来の世界を体験できるアトラクションで構成されるフューチャー・ワールドと、人口湖の周りを各国のパビリオンが立ち並び、世界旅行感が楽しめる、さながら恒久万博施設とも呼べるワールド・ショーケースという2つのエリアで構成されています。
ただし、ウォルトは、ディズニーランドの完成後、このフロリダの地に、前述の通り、エプコットという名のテーマパーク事業を超えた常に進化し続ける実験的な未来都市の原型までを構想していたのでした。
ウォルトの掲げた1960年代の当初のコンセプトは、現代社会においても極めて示唆に富んでいます。都市型文明による様々な問題点を科学の力で解決することを目的として、未開の地において、常に未来に向けて先進的で、ゼロから新しいコミュニティを築くことを希求していました。これは、書籍『新ビジネス革命』にも出てくる「ユートピア都市」という概念にも似て、明るい未来感をベースにしたディズニー版「ユートピア都市」構想を目指していたとも言えるわけです。
ちなみに、エプコットの中にある「Space 220 Restaurant」というレストランは、エントランスから宇宙エレベーターに乗って垂直に舞い上がり、地球の軌道上にある巨大な宇宙ステーション内のレストランで食事をするという演出になっています。レストランの窓の外には、成層圏から見た地球の風景が映り、本当に宇宙空間にいるような唯一無二な擬似体験、巧みな非日常性が演出されています。
WDWの施設事例を個別に上げれば切りがありません。人類の明るい未来を確信した擬似体験ができる環境を提供するテーマパークから、さらに本当の未来の原型となる実験的なコミュニティを構築するという発想そのものは、今後の日本の未来にも必要な発想ではないでしょうか。
次回は、さらにWDW内の他テーマパークをご紹介したいと思います。
(吉崎富士夫)
【関連書籍】
『新ビジネス革命』
大川隆法著 幸福の科学出版
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