米調査会社、世界10万台の中国製無線ルーターに「バックドア」が組み込まれていると公表 ─ サプライチェーンの脱中国化が顧客の信頼になる時代

2026.08.07

《ニュース》

米サイバーセキュリティ企業は5日、中国製の無線ルーターに、外部からの遠隔操作を可能にする「バックドア」が組み込まれていたという調査結果を公表しました。中国製品の安全保障上のリスクについて、「動かぬ証拠に近いもの」として注目を集めています。

《詳細》

米サイバーセキュリティ企業バルンチェックは、中国の通信機器メーカーZbtlink(ゼット・ビー・ティー・リンク)が製造する無線ルーターの制御ソフトについて、公式ページで公開している全21種類の全ての機種から、バックドアが検知されたことを公表しました。

これらのルーターは、世界中でZbtlinkおよびWiflyerというブランド名でAmazonなどを通じて販売されています。調査を担当したバルンチェックの最高技術責任者(CTO)のジェイコブ・ベインズ氏は、「世界中で少なくとも10万台のルーターが設置されているだろう」とし、「このようなアクセスを許していることに気付く人はほとんどいないだろう」と指摘しました(7日付日本経済新聞電子版)。

ルーターは、電源を入れると、中国のサーバーへ約35秒に1度のペースで自動的に通信を行う仕組みとなっていました。バルンチェックはこの仕組みを、「エンドレスドアーズ(無限の扉)」と命名。一般的な防御システムである「ファイアウォール」は、「外部から内部への」不正アクセスを止めるためにありますが、今回の仕組みは「機器の内部から外部に」通信するため、一般的な防御をほぼ迂回できてしまう構造となっています。

さらに、中国サーバー側から送られてきた命令を、そのまま実行する仕組みとなっており、遠隔で通信内容の傍受や同じネットワークにつながっている他の端末への侵入などがいつでもできる状態となっていました。また、通信相手を認証する仕組みがないため、製造元に限らず、仕組みを知った第三者もそのルーターを乗っ取ることが可能です。

そのため今回の案件は、最高水準に近い深刻度であるとされています。

Zbtlinkはこれらについて6日、「アフターサービスの技術支援だけを目的としたものであり、顧客から明示的な要請と承認があった場合に機器の不具合対応や設定支援を行うためのものだ」とし、「不正アクセスに使用されたことは一度もない」と主張。あわせて対象機種の販売を直ちに停止したことを発表しました。

しかし、利用者への事前の説明がなく、見つかりにくい仕組みにしていた点や、顧客からの要請がなくとも電源投入時から自動的に中国サーバーへ通信していることなど、不自然な点が多く、ベインズCTOは「利用者にとって唯一の対策はルーターをネットワークから外し、侵害の兆候が記録されていないか監視することだ」と述べ、中国製ルーターの撤去を勧めています。

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タグ: 無線ルーター  脱中国  サプライチェーン  中国製  サイバーセキュリティ  バックドア 

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