「イギリスが中国のように振る舞っている」とトランプ大統領が非難 ─ 英政府が脆弱性のある通信システムを企業に強要して中国などを利している問題
2026.06.11
《ニュース》
米下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長(共和党)がこのほど、「イギリス政府が米企業に対して、『国家が企業を監視できるシステム』を導入するよう強要している」と指摘しました。
《詳細》
ジョーダン氏が指摘しているのは、英政府が発する法定命令「技術能力通知(TCN)」の存在です。
TCNは、自国内のテクノロジー企業などに対し、国家による監視や通信傍受、データへのアクセスを可能にするシステムの構築や開発を強要できるものです。このTCNによって、他国や企業のサービスのユーザーに知られることなく、暗号化されたデータを英諜報機関が読み取ることを可能にします。またTCNは、対象の企業がそのバックドア(サーバーやシステムの内部に秘密裏にアクセスするための「裏口」)について「誰かに知らせる」こと自体を禁じており、バックドアの存在をアメリカが確認することもできないといいます。
昨年には、英政府が米アップルに対してこの命令を発したことが報じられ、物議を醸しました。トランプ米大統領は「イギリスが中国のように振る舞っている」と指摘しました。
特にこの命令が問題なのは、「本来安全な製品に対して、通信傍受を可能にするシステムを導入させることで、かえって脆弱性やバックドアを作り出すことになる」ためです。つまり、中国などの悪意を持った国が"作り出された脆弱性”を攻撃して、企業が保有しているユーザーの個人情報などを抜き取る恐れがあります。
そのためヴァンス副大統領も、「アメリカ国民がスパイされるのは望ましくない」「我々が自らの技術ネットワークに、敵国が悪用できるようなバックドアを作るというのは狂気の沙汰だ」と厳しく非難しました(その後、英政府はアップルに対する命令を撤回した)。
元米国防総省高官のアンドリュー・バジャー氏は、「プライバシーに関する正当な懸念は確かに存在し、それらは十分に議論されてきたが、あまり検討されていない問題として、国家安全保障が挙げられる」「ある同盟国が強要した裏口は、北京、モスクワ、テヘランへの恒久的な招待状となる」と警告しています(6月10日付米フォックス・ニュース)。
《どう見るか》
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