座間9遺体事件に見る、ネットの“スピリチュアル”な危険性

2017.11.02

《本記事のポイント》

  • 神奈川県の自宅で9人を殺害した容疑者が被害者と「インターネットで知り合った」
  • インターネット上で「波長同通」すると、特に、歯止めが効かなくなる怖さがある
  • 心の状態が悪しきものを引き寄せる恐れがあることを知り、心を正すことが大切

神奈川県座間市のアパートの部屋から少なくとも9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で27歳の住人の男が逮捕された。

男は、自殺志願者が集う「自殺サイト」や「ツイッター」などを通して被害者と知り合ったと供述している。「自殺サイト」とは、インターネット上で自殺相手を募ったり、自殺の手段を教え合ったりするためのサイトのことだ。容疑者の行動は決して許されるものではないが、今回の事件について、「ネットがなければ起きなかった悲劇」と述べる人もいる。

自殺サイトは、過去にも集団自殺や連続殺人事件などの原因になっており、現在はこうしたサイトは規制され、ほとんどは閉鎖されている。

ただ、サイトの取り締まりをしても、ツイッターなどで自殺願望者同士がやり取りを始めてしまうことは防げない。今回の前代未聞の事件が発覚するきっかけとなった9人目の被害者の女性は、ツイッターで、「一緒に死んでくれる方がいたらDM(ダイレクトメッセージ)をください」などと書き込んでいた。

歯止めが効かなくなる怖さ

同じ趣味や悩みを持つ人同士がつながりやコミュニティを持てることは、ネットの大きな利点だ。

しかしそれは、自殺願望などのマイナスの感情を持つ人たちも容易につながりを持てる環境でもある。ここに、インターネットのスピリチュアルな危険が潜んでいる。

「波長同通の法則」という言葉がある。これは、人の心においてある状態がずっと長く続き、一定の傾向性、方向性になると、同じような考え方を持っている人を引き寄せ始めるという法則だ。

この法則について、大川隆法・幸福の科学総裁は著書『神秘の法』の中で、次のように述べている。

『波長同通の法則』には、『類は友を呼ぶ』というところがありますし、悪い方向で言えば、『同病相憐れむ』というようなところがあります

現実社会の交友関係や組織などを見ても、似たような感情、考え方を持つ人たちが自然と集まりやすくなっている。その現象が、ネットの世界においては、特に顕著に起きる。

単に「波長同通」して集まるだけなら、特に害はないように思えるかもしれない。しかし、ネットの世界では特に、マイナスの感情や極端な考え方をお互いにエスカレートさせる場合もある。

もう少し身近な事例で考えてみたい。

例えば、夫への不満を抱えた妻が、プライベートな悩みなので、家族や友人には相談できず、ネットで自分の悩みを検索したとする。すると、同じように家庭への不満を持つ人の書き込みや記事が集まるサイトがすぐに見つかる。

最初は、「苦しんでいるのは自分だけではない」という"安心感"を覚えるかもしれない。しかし、他の妻たちの不満や怒り、実際に家庭崩壊した事例などに触れ続けると、夫への不満がさらに膨らんだり、疑心暗鬼になったりして、家庭崩壊が加速する、ということも起こり得る。

家族や友人に相談していたら冷静なアドバイスをもらえたかもしれないが、すぐに共感者とつながれるネットの世界では、マイナスの感情に歯止めが効かなくなる怖さがある。

霊的真理を知ることが自分を守る

この「波長同通の法則」は、この世に生きている人間だけでなく、あの世にいる霊を巻き込む力もある。大川総裁は著書『真実の目覚め』で、次のように述べている。

霊界には『波長同通の法則』というものがあって、『取り憑かれるもの』と『取り憑くもの』とは思いが通じているのです。そうでなければ、憑依霊は地上の人に憑いていられません。憑依霊が長く憑いていられるのは、両者の心の思いが似ているからなのです。

例えば、この世に生きている人が、誰かを強く恨んだり憎んだりする気持ちを持っているとします。その場合、あの世の地獄界に堕ち、人を恨んだり憎んだり怒ったりしている先祖がいれば、両者の波長が通じてしまいます。そうすると、子孫がその思いを持ち続けるかぎり、先祖は、いつまででも憑依することができ、憑依された人の運命を悪くしていきます

この世の人が「自殺したい」とずっと考え続けていると、「人生を破滅させ、地獄に引きずりこみたい」と考えているあの世の悪い霊を引き寄せてしまう。その結果、人間の常識ではあり得ない行動をしたり、衝動的に犯罪に手を染めたりすることも起こり得る。

まずは、インターネットのコミュニティや書き込みには、マイナスの感情を加速させる力があり、それはさらに、危険な霊を呼び寄せるきっかけになることを知る必要がある。

そして、自分の心が、悲しみ、怒り、嫉妬などマイナスの思いで満たされていると感じた時は、明るさ、積極性、愛、感謝などのプラスの思いで生きていく方向を選ぶことが大切だ。

自分の心で何を思うかは自分次第なので、「自分の心に原因がある」と知ることは、心を整えて悪しき影響から自らを守る第一歩になる。

(小林真由美)

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