中国共産党機関紙「人民日報」のウェブサイト「人民網」はこのほど、中国が西側の多党制の政治制度を導入すれば、2年以内に武装衝突が起きて1300万人以上が死亡するという、駐セルビア・中国大使の論文を紹介した。

論文では、西側の国々が他国の内政に干渉しているとして、民主主義国家を敵視。アフリカや旧ユーゴスラビアでは、多党制を取り入れたことで混乱に陥り、経済も低迷していると分析した。中国が多党制を導入すれば、1億3千万人を超える難民が出て、国は30に分裂し、経済は20年遅れるとした。中国の一党独裁体制を正当化する内容となっている。

この論文は、中国国内から立ち上る多党制を求める声や、西側の民主化圧力に対抗するためのものだろう。共産党指導部はこのまま一党独裁体制を続けたいのだろうが、民主主義は、価値観の多様性を認める点で、現在ある政治体制としては理想的なものと言える。13億人の人々をひとつの価値観で染め上げることは難しい。価値観の多様性は、いずれは認めなければならなくなるだろう。

とはいえ、民主制を強引に導入すれば、何もかもが直ちによくなるとは限らない。エジプトやアラブ諸国で混乱が続いているように、人々が民主主義を受け入れる準備ができない状態で導入することは、逆に不幸を招くことになりかねないからだ。

では、民主制の成功には何が必要なのだろうか。

中国の偉人である孔子の霊は、『孔子の幸福論』(大川隆法・幸福の科学総裁)において、中国の民主化について触れた。そこで、留学などを通して欧米の現状を知っている一部の中国指導部は、「国民の9割の教育水準や意識が低いため、民主制を導入すると体制が崩壊する」と判断していると指摘。さらに孔子の霊は、「幸福の科学の思想が、中国を解放することになるのではないか」と述べ、幸福の科学への期待を示した。

なぜならば、結局のところ、民主主義におけるチャンスの平等、政治参加の自由の思想の根底には、「人間一人ひとりの魂が神に作られた尊いものである」という宗教的真実があるからだ。

民主主義の成功のために、こうした正しい宗教的価値観が広がることが求められている。(居)

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