格安航空会社(LCC)の最大手、ピーチ・アビエーションはこのほど、夏場に予定していた増便計画を大幅に取り下げ、5~10月に最大2088便を欠便することを決めた。

背景にあるのは、同社の深刻なパイロット不足。新たな採用が順調に進まず、病欠が相次いだことも重なり、運行に必要な人員が確保できなくなった。これにより、約2万6000人の乗客に影響が出る見込みで、同社は予約済みの利用者には、料金の払い戻しなどで対応するという。

LCCは、既存の航空会社の半額以下、時には数千円という破格の金額を実現し、近年急速に業績を伸ばしている。その影響で、国内全線の航空機の利用者も、2010年度から13年度で7.5%増えている。だがここで注目すべきは、JALやANAといった既存の大手航空会社の利用者が減っていないこと。つまりLCCは、既存航空から顧客を奪うのではなく、航空需要そのものを創出しているという点である。