米ウォールストリート・ジャーナル紙アジア版は24日、米政府が日本政府に、安倍晋三首相が靖国神社参拝を再び行わないという保証を非公式に求めていると報じた。複数の米政府当局者の話としている。同紙によれば米政府は、先の大戦について日本政府がこれまで示してきた「謝罪」を安倍首相が再度表明することや、従軍慰安婦問題の解決も求めていくという。

中韓のいつもの批判は「口だけ」だが、同盟国アメリカが外交チャンネルを介して横槍をはさむのは、さらにたちの悪い内政干渉と言える。靖国神社参拝の目的は戦没者の慰霊であって、他の国が口出しする問題ではない。

靖国参拝後の安倍首相は、海外メディアなどに対して「国のために戦った人に手をあわせるのは、世界のリーダーの共通の姿勢」などと参拝の意義を説明しているが、一部には安倍氏がコメントすることで騒ぎを大きくしていると批判する向きもある。

しかしこれまで、この問題についての中韓の日本への批判は、言いたい放題の言いがかりだったと言っていい。中韓のみに発言の自由を認める一方で、「騒ぎが大きくなるから反論するな」と"敗戦国"の日本は抑えつけるというのではあまりに不公平な話だ。

今回の安倍首相の靖国参拝をめぐっては、中国の各国駐在大使が現地メディアなどで、戦前の日本をナチスになぞらえて批判するなど騒ぎを大きくしている。しかし、罪のないユダヤ人をいたずらに虐殺し、覇権主義でヨーロッパを残虐な戦乱に陥れたナチスとは違い、日本は欧米の植民地主義に苦しむアジアを解放するという大義のもとで戦争を戦った。ナチスに似た国家体制と言うなら、それは言論統制で自国民を抑圧し、急速な軍拡で時代遅れの植民地主義に乗り出そうとしている独裁中国の方だろう。

アメリカは、「軍国主義から日本とアジアを解放した」という"戦勝国の歴史観"を維持したいのと同時に、日中の摩擦が大きくなって面倒に巻き込まれることを恐れているのかもしれない。オバマ政権は、シリア問題などでもイニシアチブ低下が目立っており、外交からの"引きこもり"状態にも見える。せっかく打ち出した「アジア回帰」戦略も、具体策が伴わず有名無実化している。

日本は自国の立場をアメリカにしっかりと説明する努力を怠るべきではない。しかし言うべきことは言いつつも、事なかれ主義外交に徹するオバマ政権を、本格的な中国対策に向かわせるのは困難とある程度は諦めて、日本は自前でできる国防強化などの策を着実に打っていくべきだろう。オバマ政権の間は日本にとって「忍耐の時代」であるが、その間に何を為したかがいずれ問われることになる。

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