2014年2月号記事
The Liberty Opinion 2
資本主義経済を糾弾する声明を発表
ローマ法王はマルクス主義に"改宗"?
米誌タイムは12月上旬、ローマ・カトリック教会の法王フランシスコを、毎年恒例の「今年の人」に選んだ。選出の理由は、「謙虚な聖人の名で呼ばれ、教会を癒しの場とするよう呼びかけた」としている。
しかし、それに先立つ11月下旬、法王が就任以来初めて発表した「ミッション・マニフェスト」で、資本主義に対して露骨な表現で批判していたことを見逃してはならない。その内容は驚くべきものだ。
たとえば、市場経済システムについて、「『汝殺すなかれ』という戒律と同じように、排除と不平等の経済に『汝向かうなかれ』と言わなければならない」 「この経済は(人間性を)殺す」 「排除された人たちは、搾取されたのではなく、見捨てられたのだ」と指摘した。
資本主義経済は、「根本において不公正」であり、「富の不平等な分配は暴力を招く」 とし、統制されない資本主義を 「新しい専制を生む」 などとして、“暴君"扱いしている。
また、 「市場経済の絶対的な自律性を否定することによってしか、貧困問題は根本的に解決されない」 と経済システムの徹底的な見直しを求めた上で、「疎外」され「不平等」な状態にある人々への配慮を促し、政治家はすべての国民に雇用と社会保障を約束するよう促している。
法王は5月のミサでも、「無神論者も、善行を行うならば、カトリック教徒と同程度に善人である」と語って物議をかもしたが、 資本主義経済を否定し、無神論者を肯定するならば、マルクスの共産主義思想と何ら変わらない。
そもそも資本主義経済を否定する計画経済は、旧ソ連ですでに破綻している。また、神仏やあの世を信じていない人が、死後すぐに天国に還ることは難しいというのが霊的真実だ。