北朝鮮が携帯電話に関し、「米国による国家転覆の手段になっている」として使用を制限していることが分かった。朝鮮労働党の幹部向け文書を入手した毎日新聞が8日付で報じた。6月に作成された「最近提示された政治的問題に対して」という題のこの文書は、「(一部の携帯電話の利用者が)資本主義思想文化をまき散らし、国や革命の首脳部の安全に影響を与える深刻な害毒行為までやっている」と指摘。自由主義的な思想が広がることに、政府が危機感をつのらせていることが分かる。

北朝鮮では、エジプトの通信会社と北朝鮮逓信省が合弁で作った「高麗(コリョ)リンク」が携帯電話事業を展開している。2013年4月時点の加入者は200万人を超え、北朝鮮の人口約2400万人に対し、12人に一人が携帯電話を所有している計算になる。

これまで、北朝鮮では厳重な情報統制のもと、政府にとって不都合な情報は国民に知られることはなかった。しかし、海外の電信網にアクセスできる携帯電話の普及により、餓死の実態や、強制収容所の惨状、豊かな韓国の状況、自由に政府を批判し変えられる自由主義国の政体を国民が知ったとき、北朝鮮の崩壊が加速する可能性は高い

ソ連では、ゴルバチョフ書記長が政府の問題を明らかにすることで改革を進めようと、「グラスノスチ(情報公開)」に踏み切った。しかし、共産党の腐敗の実態や、人命を無視したチェルノブイリ発電所の事故での対応、過去に行われた粛清の数々が明らかとなり、結果的には政府に対する信頼が失われ、ソ連の崩壊につながった。

大川隆法・幸福の科学総裁は、昨年行われた釈量子・現幸福実現党党首との対談のなかで、中国と北朝鮮について、「完全に情報公開し、国民に真実を知らせてしまえば崩壊する国家であることは、間違いありません」と述べている。(大川隆法著『猛女対談』)

情報公開によってソ連が崩壊したことにより、米ソの直接戦争を経ることなく、冷戦は終結した。北朝鮮の中で芽吹きつつある通信の自由を育てることが、銃弾を一つも使わず、38度線の悲劇を終わらせることにつながるのだ。

(幸福実現党 伊藤希望)

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