2013年5月号記事

第二回

幸福実現党党首 矢内筆勝の必勝行脚録

矢内筆勝

(やない・ひっしょう)1961年生まれ。早稲田大学卒業後、朝日新聞記者を経て幸福の科学グループに入局し、広報局長、常務理事などを歴任。NPO 「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」や保守系市民団体の立ち上げにも関わってきた。

矢内筆勝の「言行録」はブログでご覧になれます。

http://yanai-hissho.hr-party.jp/

TPPから農業改革を起こせ!

農業は座して死を待つのみか

安倍晋三首相は3月15日に、日本がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉に参加すると表明しましたが、自民党内の反対派を説得し切れたわけではありません。彼らがTPPに反対する理由は、自民党を支える1千万とも言われる農協票を失いたくないからです。

農家は減反政策の補償などで国から補助金を受けていますが、このお金が貯金として農協に預けられているため、農協は大きな金融パワーを持っています。農協は、もしTPP参加で保護政策が見直されれば、この既得権益が崩れるかもしれないと反対しているのです。

しかし、日本の農業の現状をこのまま放置しておくわけにはいきません。私も九州など地方を回ることがよくありますが、農家はおじいさんやおばあさんばかりで、このままでは日本の農業が自然消滅していくのは明らかです。

TPPをきっかけに、日本に農業改革を起こすべきです。農業を輸出産業に育てるべく、農協が金融資産を元手に投資を行うよう促すことが大切です。株式会社の設立も認め、若い人にも経営に参画してもらうべきでしょう。

TPP交渉参加という安倍首相の決断は評価できますが、自民党全体としては農協という既得権益の代弁者になっています。やはりしがらみにとらわれず、この国のあるべき姿を考えられる政党が、国の舵取りを担うべきと言えます。

尖閣はますます「中国の海」に

「八重山日報」は、左翼の強い沖縄で堂々と保守の言論を張る。表敬訪問した矢内党首(中央)は、宮良薫社長(左)、仲新城誠編集長(右)と会談した。

日本の海の安全も危機的な状況にあります。私は3月9日から11日にかけて、石垣島に飛び、石垣市の中山義隆市長や、現地紙の「八重山日報」本社を表敬訪問しました。

現地では2月18日、中国の公船が尖閣諸島の領海内に侵入し、日本の民間漁船を1時間半もの間追い回す事件がありました。漁船は岩場に隠れて難を逃れましたが、海上保安庁の巡視船が近くにいなければ、拿捕されていたことでしょう。この漁船は昨年、私が尖閣諸島を洋上視察した際に乗せてもらった船で、事件を知った時は驚きました。地元の漁師らは「尖閣で漁をする海人の会」を結成し、安全な漁ができるよう政府に対策を求めています。

つまり、日本の国家主権は、すでに侵されているということです。しかし、国内の主要メディアはこの事件をほとんど報じず、政府も静かにしています。これはおかしなことです。

安倍首相は国防強化に前向きですが、参院選を控えて、安全運転に徹さざるを得なくなっています。しかし、尖閣周辺が「中国の海」になりつつある今、国防強化は待ったなしなのです。