《ニュース》

0~6歳までの乳幼児によるタブレットの使用が、今や"当たり前"とされる中、乳幼児期のタブレット利用が、将来の学力低下や睡眠障害、言語発達の遅れといった悪影響をもたらすとした調査結果が、複数のメディアで報じられています(6月27日付米ガーディアン紙、29日付ニューヨーク・ポスト等)。

《詳細》

シンガポール国立保健医学研究所とシンガポール国立大学の研究チームの調査によると、1~8歳の子供502人の追跡調査を行った結果、スマートフォンやタブレットといったスクリーンの使用時間が長いほど、その後の学業成績や、ワーキングメモリ(一時的に必要な情報を記憶・理解する能力)が低下する傾向があることが分かりました(医学誌「World Journal of Pediatrics」2026年5月号)。

特に、1歳児のスクリーン使用が、その後の学力低下に与える影響が最も大きかったとし、研究論文の著者の一人は「これは、乳幼児期が感受性の高い時期であり、発達中の脳がスクリーン使用による学習交流の阻害に特に脆弱であることを示唆している」と指摘しています。

また、イギリスの慈善団体「1001クリティカルデイズ財団」の委託を受け、イギリスの4つの大学が共同で行った別の調査では、世界的に乳幼児期のスクリーン使用時間の増加が、近視や睡眠障害、小児肥満といった健康上の問題や、言語発達の遅れ、行動障害など、広範な悪影響を及ぼしていることが明らかとなりました。

同報告書によると、2歳未満の乳幼児の70%以上がスクリーンを使用しているといい、かなりの数の乳幼児が、一日に最大8時間もスクリーンにさらされているといいます。

1001クリティカルデイズ財団は、「これは喫緊の公衆衛生上の問題だ」と指摘。同財団の創設者アンドレア・リードサム氏は、「この画期的な調査結果は警鐘です。スクリーンが乳幼児にもたらすメリットは限られており、人間の発達において最も重要な時期である生後1001日間には重大なリスクを伴う可能性があることを示唆する証拠が増えています」と述べています。

日本でも、乳幼児の約7割が日常的にインターネットを利用しているといい、生成AIを使用する幼児もいます(文部科学省「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査」)。

世界的にインターネット利用の低年齢化が著しい中、アメリカでは幼稚園の教室へのタブレットの導入が進んでおり、「電子フェンタニル」(※フェンタニルは麻薬の一種)だと批判する保護者の声も高まるなど、心身への悪影響が問題視されています。

《どう見るか》