2026年7月号記事

子供たちの未来を拓く「寄付」社会 〈後編〉

なぜアメリカは寄付社会なのか?

政府債務の額が増え、経済成長が低迷するなか、政府が国債を増刷して福祉を賄うという手法以外の方法が必要だ。活路の一つは、「寄付」社会の構築にある。

「アメリカは世界史上、最も寛大な国です。2024年だけでも、国民は慈善活動に5000億ドル(約73兆円)以上を寄付しました。これは、シンガポール、オーストリア、UAEといった先進国のGDPを上回る額です」

ベッセント氏は投資家出身で、供給側の経済学を信奉するサプライサイダーの財務長官。トランプ大統領からの信頼が厚い同氏は、1月末の「トランプ口座サミット」において、「トランプ口座」が慈善活動に革命をもたらしていると伝えた。

というのも、「多くのアメリカ人は、寄付を通じて同胞に恩返しをしたいと考えている」が、子供たちに直接、投資するプラットフォームが欠けていた。そこで富豪のブラッド・ガースナー氏が立役者となり考案したのがこの口座だ。

この試みは、新生児を対象に1000ドルを財務省が振込み、それに両親や慈善家、雇用主が追加の拠出を続けるというもの。長期的には複利の効果から、年月をかけるほど資産が増えていく。28歳まで忍耐強く積み増せば、109万ドル(約1億7400万円)まで増える可能性もある(*1)。

「複利は忍耐に対する報酬」。こう語るのがハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の鈴木真実哉プロフェッサー。「この寄付の仕組みを通して複利を実感し、資本主義の精神を身に付けられる子供たちが5%でも10%でも生まれたら、社会が変わる」と語るが、資本主義の精神の涵養に「トランプ口座」の要諦がある。

(*1)本誌6月号「子供たちの未来を拓く寄付社会(前編)」に詳述。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 
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