《ニュース》
アメリカが「エコノミック・フューリー(経済的怒り)作戦」の一環で、イランの制裁回避ネットワークを順々に潰し、イラン経済に直接打撃を加えることで、現政権に交渉の席につかせようとしています。
《詳細》
イランは石油を不正輸出することで、ミサイルなどの軍事拡張の資金を確保しつつ、イラン政府高官がその資金を元手に海外資産を保有して私腹を肥やすという、二重構造を構築してきました。
その例を概略すると、(1)イランが石油を生産する、(2)イラン軍参謀本部などのフロント企業が石油や石油化学製品(ナフサ等)を販売する、(3)中国の独立系石油会社がそれらを購入する、(4)イランはいわゆる「影の船団」を使って輸送する(船籍の変更や船の自動識別装置の解除などでイラン産を隠蔽)、(5)代金はイラン政府とつながる香港やシンガポールなどのフロント企業が決済する(資金洗浄)、(6)イラン政府が軍拡の資金に充てるほか、政府高官が海外のペーパーカンパニーを通してロンドンの不動産などを購入する──というものです。
トランプ米政権はこのネットワークを徹底的に弱体化させるべく、4月に停戦して以降、イラン政府の財政及び、政府高官の資産をターゲットにした「経済戦争」に転じ、その一環としてホルムズ海峡を海上封鎖しています。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「イランのイスラム体制は約50年にわたり、中国に石油を販売することで米国からの財政的圧力を生き延び、ゲリラ戦術で米国の軍事力に対抗してきた。しかし、アナリストらは、米海軍の海上封鎖によって、その戦略が限界に達した可能性があると指摘する」「(イラン)経済は今、崩壊の危機に直面している」などと報じています(5月1日付日本語電子版)。
イランはアメリカから「予期せぬ海上封鎖」を受け、それを打開できない実態が浮き彫りとなっています。
《どう見るか》























