《ニュース》

アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃を受け、イラン革命防衛隊が海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を「封鎖した」と警告しました。事態の推移次第ではエネルギー供給に重大な影響が出るのではないかと、世界中が固唾をのんで見守っています。

《詳細》

ホルムズ海峡は、イランとアラビア半島の間に位置しており、世界で取引される原油や天然ガスの約2割が通過しています。日本は原油の95.9%をサウジアラビアなどの中東に依存しており、大半がホルムズ海峡を通って輸入されています。

イランの革命防衛隊は、米軍とイスラエルの攻撃を受けた2月28日以来、ペルシャ湾を航行中の複数の民間船舶に対し、「ホルムズ海峡の通過を一切許可しない」と通告。これを受け、日本郵船や商船三井、川崎汽船などの日本の海運大手3社や世界の石油メジャーがホルムズ海峡の航行を停止しました。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、2月28日時点でホルムズ海峡を通過する船舶が約7割減ったといいます。

また、イスラム革命防衛隊は3月1日、ホルムズ海峡で3隻のタンカーをミサイル攻撃したと明かしました。2日には、同司令官が「ホルムズ海峡を閉鎖した」と主張し、同海峡を通過しようとする船舶は「炎上させる」と警告しています。

一方で、最高指導者ハメネイ師など複数の高官が殺害されたイランは指揮系統が混乱状態にあり、海峡の完全封鎖はイラン政府の統一見解ではないとの見方もあります。米中央軍は「ホルムズ海峡は閉鎖されていない」としており(2日付米FOXニュース)、専門家も「意外と早く鎮静化に向かう」と指摘しています(2日付ロイター通信ほか)。

またイランは中国向けを中心とした原油の輸出が経済を支えており、完全な海上封鎖は自国の生命線を断つ自殺行為との指摘もあります。

原油価格(米WTI原油の先物価格)は2日、一時1バレル=約75ドルまで上昇した後にやや押し戻され、約72ドルで取引を終えており、市場は比較的落ち着いた動きを見せています。日本には254日分の石油備蓄があり、長期化しなければ経済的影響は最低限にとどまるとの観測もあります。

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