2026年4月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 69

台湾有事より恐ろしい「平和的統一」への備えを

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」を紹介する。

浅野和生

平成国際大学副学長

浅野 和生

(あさの・かずお)1959年、東京都生まれ。慶応義塾大学卒業、同大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。現職の他に、日本李登輝友の会の副会長などを務める。『台湾の国防体制と東アジアの安全保障』(展転社)など著書・共著多数。

中国は「台湾統一」を国是とし、武力行使も辞さない構えです。しかし武力統一に失敗すれば、多大なリスクを被ります。そのため中国は香港のように、「一国二制度」(*)を台湾に受け入れさせ、"平和的に"吸収したいと考えています。

これは、中国が無傷で統一に成功するという点で、台湾有事よりも恐るべき事態であり、自由主義陣営は対抗策を立てる必要があります。

(*)中国の一部でありつつ、一定の自治は認めるという方針だが、事実上の直接統治に過ぎない。