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中東を歴訪しているトランプ米大統領は、シリアに対する制裁を近く解除する方針を示しました。

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トランプ氏は13日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれた投資フォーラムで、「シリアに偉大さへの道を開くため、シリア制裁の停止を命じる方針だ」「今こそ彼らが輝く時だ。制裁をすべて解除する」「多くの悲惨と死を経験したシリアでは、新たな政府が誕生し、国の安定と平和の維持に成功することを期待している」などと演説し、会場にいた多くのサウジ当局者から大きな拍手を受けました。

シリア制裁の解除については、サウジのムハンマド皇太子やトルコのエルドアン大統領からの要請を受けての判断だったと明かしています。

トランプ氏は14日には、ムハンマド氏が同席し、エルドアン氏が電話で参加する中、シリア暫定政権のシャラア大統領と30分ほどの短い会談を初めて行いました。アメリカとシリアの首脳が会談したのは、2000年に当時のクリントン大統領とアサド前大統領の父、ハフェズ・アサド氏が会って以来となります。

ホワイトハウス報道官によると、トランプ氏は会談で「あなたには歴史的な偉業を成し遂げる大きな機会がある」とシャリア氏を激励。その上で、「イスラエルとアラブ諸国との関係を正常化する『アブラハム合意』にシリアも署名すること」「外国人のテロリストに国外退去を求めること」「パレスチナ人テロリストを追放すること」など5点を求めたといいます。

これに対し、シャラア氏は「シリアからイランが退いた後の重要な機会を認識している」として、アメリカとの間にはテロ対策と化学兵器の廃絶に関して共通の利益があると指摘。米企業にシリアの石油・ガス開発に投資するよう求めました。

アメリカの対シリア制裁は、民主化運動を弾圧したアサド前政権を対象に2011年に科されたものです。昨年12月にアサド政権が崩壊し、反体制派「ハヤト・タハリール・シャム」が暫定政権を樹立。その後もアメリカの制裁は続き、内戦からの復興は進んでいませんでした。

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