《ニュース》

中国共産党の経済の中長期方針を決める、第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)がこのほど開催されました。ここで、年金の受給開始年齢を遅らせるため、法定退職年齢を引き上げていくことが表明されました。

《詳細》

18日まで開催された3中全会で決定された内容が21日に発表され、その中で「定年を段階的に延長する改革を着実に進める」ことが発表されました。

現在、中国の定年年齢は男性が60歳、女性は管理職で55歳、工場勤務で50歳ですが、これは1949年の建国時に定められた規定からほとんど変わっていません。1960年時点で平均年齢は「44歳」でしたが、2021年には「78歳」となり、2050年には「83歳を超える」という国連の予測が出ています。

中国において、年金の運営や給付の7割は地方財政が担っているため、大きな負担になっています。しかも、中国の地方政府はこれまで、土地の使用権を不動産会社に貸すことで得られる「土地収入」を収入源としてきましたが、不動産バブルの崩壊によってその収入が見込めなくなっています。地方債の残高は23年末で40兆元(約825兆4520億円)を超え、実質的なGDP比は80%に達しており、かなり危険な領域に入っています。

年金基金が赤字化している省も多いため、広東省など若い人が多く年金給付の対象者が少ない省から、高齢化が進んでいる地域へ年金財源を移転するなどして、何とか支えている状況です。

それでも、都市部の年金受給額が一カ月あたり約3000~6000元(約6~12万円)である一方、農村部だと月123元(約2600円)と、その格差は極めて大きくなっています。多くの人が老後も都市部で仕事を続けたり、家の畑で農作物を収穫して売るなどして、生計の足しにしている現状があります

(参照:5月11日付ロイター)。

中国政府は今後、中央政府の財源だった「ぜいたく品や嗜好品に課す消費税」を地方政府に配分するなどして、地方政府の自主財源を増やすとしています。

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