2023年11月号記事
これが本当の少子化対策だ!
岸田異次元対策に効果なし
日本が21世紀以降に繁栄していくには、この問題は避けては通れない。未来を設計し、人口を増やすために何ができるかを考え、知恵を絞る必要がある。
contents
これが本当の少子化対策だ! 岸田異次元対策に効果なし - Part 1
2022年の出生数は過去最少の77万747人となり、関係者を震撼させた。慌てて岸田政権は今年の年頭の記者会見で、「異次元の少子化対策」を打ち出し、子育て支援を訴えている。
14年も前倒しで少子化が加速した
実は、出生数が77万人になるのは「2036年」と推計され、当分先だと思われていた(*1)。ところが、「14年も前倒し」で少子化が進んでいることが判明。今年の減少スピードも静かに上がっており、上半期の出生数(速報値)は昨年と比べて3.6%減の37万1052人となった。
要因はコロナ禍が大きいが、そこには「人災」という側面があることも軽視すべきではない。
政府はコロナ対策として"三密"を避けるように要請し、事実上の「恋愛(婚活)ロックダウン」を強いた。外出自粛やテレワークで出会いの場を奪い、婚姻数・出産数が急減。少子化対策に力を入れる行政が、「人流を制限すれば少子化を加速させる」という弊害を軽視した。
近年、少子化に拍車をかけているのは、晩婚化に加えて、「結婚数の減少」と「子供を持たない夫婦の増加」が指摘されている。22年の婚姻数は50万4878組で、結婚しない、またはできない人が増加傾向にある。
子供を持たない女性も、50代で「4人に1人以上」となり、先進国では突出して多い。この無子化の割合は今後も上昇し、05年生まれの女性では最大で42%に達すると試算され、子供を持たない家庭が一般化すると言われている(*2)。
少子化はあらゆる社会活動を縮小させ、国家の存続を左右する重要問題である。国家的危機である少子化について考えてみたい。
(*1)国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した出生数の推計値(死亡中位仮定、出生中位)
(*2)2023年8月9日付日本経済新聞電子版
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。なお「幸福の科学刊」「幸福実現党刊」とされている書籍の詳細は、幸福の科学の支部・精舎にお問い合わせください。
出生数と合計特殊出生率の減少が止まらない
※合計特殊出生率とは、1人の女性が一生の間に産むと想定される子供の数を指す。
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