2019年に北海道電力・泊原発の敷地で断層を調査する原子力規制委。ただ、地震発生のメカニズムと活断層の関係は不明な点も多い。審査項目の上積みは再稼働の先延ばしに過ぎない(写真:毎日新聞社/アフロ)。

2023年9月号記事

やっぱり変だよ! 原子力規制委員会

─「電気料金格差」を生み出す「怪しい仕事」─

原子力発電所が再稼働していない地域で電気料金が高騰している。
この理不尽な問題を解決する具体策とは何だろうか。

原発の安全審査を担う原子力規制委員会(規制委)の仕事が遅く、原発の再稼働が実現した地域と、実現していない地域とで電気料金の「格差」が拡大している(下図)。

現状では、再稼働申請が行われた27基のうち10基しか稼働していない。現在、稼働しているのは、西日本にある関西電力、四国電力、九州電力の原発の一部だけなので、今のままでは、首都圏や東北地方、北海道などに住む人々の暮らしが脅かされてゆく。

東日本を支える柏崎刈羽を止める規制委

その中でも、特に重要なのが、東日本大震災の前に首都圏の電力の6分の1を供給していた東京電力・柏崎刈羽原発(新潟県)だ。それが止まっていることが首都圏の電気料金の高騰をもたらしている。

東京電力は、柏崎刈羽7号機が再稼働しただけで火力発電の燃料費節約により2000億円を顧客に還元できる、と試算する。

今年10月に再稼働を見込んでいたが、規制委からの是正措置命令(*1)でその道が閉ざされた。

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次ページからのポイント

北海道が全域停電した後も動かない/北海道・泊原発

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"口だけ首相"の責任を問う