《ニュース》

「ChatGPT」と呼ばれる対話型AIが発表されてから、"人間の頭脳を代替する"かのようなその機能に、注目が集まっています。

《詳細》

「ChatGPT」は、アメリカのベンチャー企業が開発した対話型AIです。「膨大な情報を組み合わせ、従来のさまざまな対話型AIとは比べて物にならないほど、違和感のない受け答えをする」として注目を集めました。約3カ月で少なくとも1億人以上のユーザーを獲得しています。

例えば記者が「クレジットカード明細に、記憶にない購入履歴がある」と打ち込むと、取るべき対策について順を追って、たちどころに列挙してきました。

また「チャットAIの問題点について記事を書いて」と打ち込むと、問題点を4つ列挙し、導入文、結び共にそつなく、文法的にも完璧な記事を、瞬時に生成します。「AIが暴走するSF小説のプロットを書いて」と打ち込むと、「AIエンジニアのジョンなる主人公が、自らが生み出したAIと対決しながら教訓を得る」という、起承転結の形をとったプロットが表示されました。

こうした性能によって、「AIによる人間の代替」を思わせる事例が、各分野で見られ始めています。

例えば英大衆紙「デイリー・ミラー」などが同AIを記事作成支援に活用する検討をしているとも報じられています。

教育現場への影響も大きく、大学などで同AIに書かせたレポート提出が相次ぎ、現場が対応に追われ始めているといいます。アメリカの法廷で判決が下されるにあたっても、同AIの回答が参照された、あるいは、同AIが米国医師免許試験で合格点を出したなど、高度な専門性を要する分野でも驚きのパフォーマンスを見せているとの報告もあります。

また、ある米SF雑誌には同AIを使って書かれた作品投稿が殺到し、500人以上が投稿禁止になりました。アマゾン上にも、AIによって書かれた電子書籍が200種類以上確認されたと報じられています。

さらには、先日発生した米大学銃撃事件への哀悼メールを、ある大学が同AIで書いたことが問題視されました。

こうした対話型AIの競合版開発を急ぐ企業や、同AIを使った新規ビジネス、業務効率化に関する話題も尽きず、各所にさまざまな影響が及ぶと見られます。

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