《ニュース》

新議長が就任した米下院議会が10日、新たな委員会を立ち上げました。

超党派の支持を受け、対中国問題を専門に扱う「米中の戦略的競争に関する特別委員会」を設置。昨年12月から設置の方針が示されていた同委員会は、アメリカや同盟諸国に対する、中国による軍事・経済的威圧行為を調査するとのことです。

さらに同日、下院共和党は連邦政府による捜査(federal investigations)を調査するための委員会を立ち上げるべく投票。全民主党議員が反対票を投じたものの、賛成多数で承認されました。共和党側は保守派が不当に捜査対象にされているとして支持し、対する民主党側は、2021年1月6日の議会襲撃などを巡るドナルド・トランプ前大統領への捜査を妨害しようとしていると反対した構図です。

これにより特別小委員会が結成され、司法省による捜査など、共和党陣営が「連邦政府の武器化」と表現する行為を調査し、監視を強化することになります。このほど就任した下院議長のケビン・マッカーシー氏がメンバー13人を指名し、そのうち8人を共和党議員が占めるとのことです。

《詳細》

まず、「米中の戦略的競争に関する特別委員会」については、中国がアメリカに対して行う知的財産権の侵害や農地買収、南シナ海などで続く軍事活動など、中国の脅威に対抗するための具体策を提言するとしています。

同委員会の委員長には、元米海兵隊・情報将校のマイク・ギャラガー氏が就任しました。同氏は「アメリカにとって最大の脅威は中国共産党だ」とする対中強硬派です。FOXニュースに対し、「中国共産党はジェノサイド(大虐殺)を続け、新型コロナウィルスによるパンデミックの起源を隠し、数千億ドル(数十兆円)に上る知的財産をアメリカから盗み、台湾を脅迫しています」と語っています(22年12月8日付)。

トランプ政権時代に課された対中関税の引き下げを検討するなど、対中宥和姿勢が目立つバイデン政権に対し、ギャラガー氏率いる同委員会が、外交方針の転換を迫ると期待されています。

続いて行政機関に対する捜査を進める特別小委員会は、下院司法委員会の下に組織され、機密文書への広範なアクセス権が与えられるとのことです。司法委員会の委員長を務めるジム・ジョーダン氏が兼任して主導する予定です。

同特別小委員会の設立に先立っては、バイデン政権による連邦捜査局(FBI)の濫用や、民主党陣営による言論弾圧など、アメリカ国内で政治的偏向に基づいた米国民への抑圧行為に対し、批判の声が高まっています。

さらには下院での委員会設立と並行する形で、バイデン氏の副大統領時代の機密文書が個人事務所から見つかった問題も発覚。中間選挙前に見つかっていたにも拘わらず、今月9日になるまでメディアで報じられなかったことが明らかになり、アメリカの言論空間における「政治的偏向」が広く問題視されています。

《どう見るか》