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格付け会社フィッチがこのほど、ウクライナの長期外貨建て格付けを「CCC」から「C」に引き下げ、債務不履行(デフォルト)になる可能性を示唆しました。

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ウクライナが20日、各国の債権者に対して、国債利払いなどを2年間凍結するように要請しました。これを受け、フィッチは不良債権処理のプロセスが始まったと考え、評価をダウングレードしました。

ウクライナの対外債務は2021年末時点で600億ドル(約8.3兆円)に上り、外貨準備は同時点で250億ドル(約3.4兆円)に過ぎないとされます。同国は毎月約20億ドル(約2700億円)を国債の利払いに回していたものの、ロシア―ウクライナ戦争の影響により、その支払いを一時的に止めてほしいと、主要な西側諸国の債権国と大手ファンドを説得した形です。ウクライナ財務省によると、返済の猶予期間は2022年8月から23年末であるといいます。

フィッチはウクライナ経済について、22年に33%縮小、世界銀行は45.1%縮小するとそれぞれ予測しているなど、破滅的な惨状が生じています。ウクライナの歳入は大幅に減少し、毎月50億ドル(約6800億円)程度の財政赤字が累積しているため、金の売却に動くなどして外貨準備を減らしています。そのため今回の対応策は、「その場しのぎでしかない」という見方が濃厚です。

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