1989年に起きた天安門事件では、北京の天安門広場に集まり、平和的なデモで中国民主化を訴える学生ら100万人超を、6月3日から4日にかけて人民解放軍が弾圧した。犠牲者は、少なくとも1万人以上と言われている(*)。
事件から33年が経った4日、東京都内で「六・四天安門事件33周年抗議集会」が開催された。
天安門の精神的遺産は中国市民に受け継がれている
抗議集会では、当時、天安門広場の学生運動の指導者の一人で、民主活動家などを人道的に支援する「人道中国」の代表である周鋒鎖氏が、「崩壊へ向かう中国共産党と経済」と題してビデオ講演を行った。
周氏は講演の中で、当時の民主化運動を振り返り、「(アメリカ独立宣言を学び)中国は国民主権を取り入れるべきだと、私は考えていました。そうした思いが、(天安門広場にある人民英雄)記念碑のもとに集ったのです」と述べた。さらに中国市民は民主化を望んでいると指摘し、「これは天安門の精神的な遺産である」と語りました。
また、民主化運動が結実しなかったことで、中国は間違った道を進み、貿易などで大きくなってしまったと指摘。天安門事件以降、欧米諸国から中国へ経済制裁を受けている中で、日本政府はいち早く制裁を緩め、投資を行ってきた。こうした政策が中国の発展を促したとして、「この点においては、日本にも罪がある」と批判しました。
さらに、ウイグル人に対して行われている人権弾圧や、新型コロナウィルスが中国の研究所から漏洩したことで、世界に大きな混乱をもたらしたことに触れ、「(中国共産党が行っている)悪の本質を理解できなければ、世界は中国の脅威をコントロールできなくなる」と危機感を示した。そのうえで、「中国を民主化できなければ、世界はさらなる繁栄を享受できないだろう」と警告して、民主化実現への希望を語り、講演を締めくくった。
「中国民主化に必要なのは、中国人自身の覚醒」
続いて、天安門事件の際に、広州でデモを指揮した、政治評論家・陳破空氏が登壇した。「天安門事件で行った残虐な弾圧は、香港で行われ、ウイグルでは強制収容という形で行われ、チベットや南モンゴルでは文化の抹消として行われています。さらに、コロナ・パンデミックによる北京・上海での都市閉鎖も、それにあたるでしょう」と話した。
そして「中国民主化に大切なのは、中国人自身の覚醒です。中国の民主化は、人間の尊厳を認める社会になるということだけではなく、世界にとっても脅威が消えることを意味します」と、中国民主化の意義を力説した。
集会では、チベットのダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ氏や、世界南モンゴル会議常任副会長のオルホノド・ダイチン氏なども、中国政府による少数民族弾圧の現状を訴えた。
ウイグル、チベット、南モンゴルをはじめとする少数民族に対して行われているジェノサイドの被害規模は、天文学的な数になっている可能性が高い (関連記事参照)。自由・民主の芽をつぶし、国内で人権蹂躙を行っている中国の罪を認識し、世界は「凶悪な国家」を解体するべく、対処していかなければならない。
(*)当時のアラン・ドナルド駐中国イギリス大使による、1989年6月5日付の極秘公電の中での報告より。
【関連書籍】
『メシアの法』
幸福の科学出版 大川隆法著
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