今夏に予定されている参院選の広島県選挙区に、幸福実現党は野村昌央(のむら・まさてる)氏を擁立する。野村氏は28日、広島県庁で記者会見を開き、出馬に至った経緯や、訴えたい政策について発表した。
野村氏は1982年に広島市に生まれ、広島国際大学医療福祉学部を卒業。2015年、幸福の科学の社会人教育機関であるHS政経塾に第6期生として入塾した。現在は同党の広島県本部副代表として、県内で政治活動を行っている。
野村氏は冒頭、立候補を決意した理由として、昨年10月に行われた衆院選では、国際情勢の厳しさが増す中にもかかわらず安全保障に関する議論が少なかったこと、経済ではコロナ禍でどれだけ補助金を出すのか争うような選挙となり、危惧したことを挙げた。そして、以下の3点について訴えた。
(1)「広島的世界平和主義」を脱却し、日本に武士道精神を取り戻す!
外交・安全保障では、「平和を訴えていれば世界は平和になる」という「広島的世界平和主義」を脱却する。「核なき世界」を目指す気持ちは分かるが、現実は、日本は核保有国に囲まれていて、実際には、それだけでは核の脅威を防ぐことはできない。
2月に始まったウクライナでの戦争で、ロシアを追い詰めてしまうと、中国、北朝鮮、ロシアの三国の核保有国と、同時に緊張関係を強いられることになる。ロシアに全面的に賛同はできないが、ウクライナのNATO入りはロシアの安全保障に脅威であり、ロシアの立場も理解できる。
核戦争を起こさせず戦争を終結させるためにも、日本はウクライナ支援ではなく、ロシアとの友好の道を残しつつ、ウクライナの中立化を促していくべき。核兵器の怖さを分かっているからこそ、核兵器が使用されないよう、広島からこうした発信を行うべき。
(2)「広島的勤勉の精神」の復活こそ、未来への希望!
岸田首相の掲げる「新しい資本主義」とは分配と課税の強化であり、これは社会主義政策である。バラマキを続け、「政府からどれだけお金をもらえるか」を期待する人が増えれば、日本経済が骨抜きになっていくのは明らか。補助金と増税によって国内産業の国際競争力が失われてきた。
広島では戦前から、私財を投じて広島の発展を支えた財界人がいた。また、戦後、「補助などなくても当たり前、町を元気にするためにやれることをやっていく」と広島の復興をけん引した人たちがいる。こうした広島の「勤勉の精神」は、たとえ焼け野原になっても街を築いていくことができるという、資本主義の精神そのものではないか。
海外へ移転した日本企業の生産拠点を国内へ戻すための融資や減税、電気料金引き下げなどを行い、国内の企業活動のコストを軽くする。また、働き方改革で労働時間が減り、所得が減って家のローンが払えず、家を売らざるを得なくなったという話も聞いている。労働の自由を守るためにも働き方改革を見直す。
(3)「脱炭素"グレタ教"にNO!」ものづくり広島から日本の繁栄を!
2020年に日本製鉄が呉製鉄所の閉鎖を決めたのは広島県民にとって衝撃だった。脱炭素のための設備投資やコスト増から広島と日本の製造業を守るため、「2030年度までに温室効果ガス46%削減」を目標とする脱炭素政策を撤回する。
農地への太陽光パネルの設置が増えているが、再生可能エネルギー促進のための固定価格買取制度によって電気代の値上がりにもつながっている。中国に土地を買われていく可能性も防ぐべき。幸福実現党はエネルギー安全保障を見直し、原発再稼働や石炭火力の維持を進め、安定した安価なエネルギー供給を行い、日本の産業と雇用を守る。
「信仰心や宗教を認めない社会では、権力者が現人神のようになる危険がある」
野村氏は、所属する幸福実現党が宗教政党であることを受け、本来の宗教的精神とは「自分で考え、行動することができる人」を育てるものであり、自らの心を誰に見られても恥じることのないよう磨き、鍛えるものでもあると語った。
宗教弾圧の激しい中国で人権弾圧が横行していることを挙げ、信仰心や宗教を認めない社会では、権力者が現人神のようになって人権の根拠が乏しくなり、人が人として扱われない政治が行われる危険があると指摘。「信仰心に基づいた愛国心と武士道精神を取り戻し、政治に精神的主柱を打ち立てたい」と決意を語っている。
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