2022年1月号記事

未来はまだ変えられる

「メシアの法」とは何か

公明党は大義なき親中を改めよ

ウイグルなどでの人権弾圧が問題になる中、公明党は中国をあからさまに庇ってきた。
その態度は、もう通用しない。

12/9発刊

メシアの法

メシアの法
大川隆法 著
幸福の科学出版

人権弾圧を理由に、欧米諸国が続々と中国に制裁を科している。そんな中、日本政府は今年6月、中国の人権弾圧の即時停止を求める国会決議案の採択を見送った。通常国会期末が迫る中で野党は次々と決議案を了承したにもかかわらず、公明党の合意が得られなかったためだ。

それ以降、日本はいまだに自由主義国として批判の姿勢を明確にできていない。政権与党の一角をなす公明党の親中姿勢は、日本の外交・安全保障に重大な影を落としている。


人権弾圧国を庇った数々の"実績"

大川総裁は法話「メシアの教え」の中で、「それ(中国が行う人権弾圧など)を"なあなあ"にして、もし、『経済的に利益さえ出ればいい』ということで、日本政府や、あるいは、それにくっついている公明党、創価学会等、日中国交回復を手柄として言っている人たちが、その変化にまだ気がつかないで、政治的行動をしないようにやっているとしたら、それは『悪なる行動である』というように見えざるをえないと思っています」(『メシアの法』所収)と指摘する。

日中国交正常化に尽力した公明党と母体の創価学会は、中国との友好関係を長らく重視してきた。天安門事件の大虐殺で中国が欧米から厳しい経済制裁を受ける中、現・名誉会長の池田大作氏は「困ったときに手を差し伸べることが本当の友情だと思う」と発言し、大訪中団を派遣した。その際に中国共産党の工作員と言わんばかりの批判を数多く浴びたことは、公明党・創価学会では信念を貫き通した"美談"として語られている。

傘下の創価大学は、初めて中国人留学生を受け入れた大学の一つ。前駐日中国大使である程永華氏も、その一人だ。池田氏には中国の大学から127個の名誉称号が送られ、44の大学に「池田大作研究」機関があるなど、国際交流として築いてきた中国とのパイプは太い。米シンクタンク「戦略国際問題所(CSIS)」は報告書の中で、公明党を親中と表記。中国共産党の機関紙「人民日報」も、日本を親中に導いた"実績"を称える論考を掲載したほどだ。


原点には人権を守る気概があったはずが

そうした中で公明党はウイグル人らの人権擁護を日本に"切り捨て"させたのだ。ただ、その原点を辿ると、元々人権を守る理念と気概があったはずではなかったのか。

創価学会・初代会長の牧口常三郎氏は、小学校の校長時代に貧しい子供たちのために、給食を導入。さらに当時の衛生環境が劣悪だったため、児童の湯銭の値下げを警視庁に陳情するなど、子供の生活改善に奔走した。

関東大震災の際に、未曾有の被害を目の当たりにし、その中でもなんとか貧しい子供たちの生活がより良くなるようにと夏に林間学校を実施するなど、教育改善にも尽力。日蓮宗の教えと教育への情熱を基に、子供たちの幸福の実現を目指した「創価教育学」を誕生させた。

しかし第二次大戦に向かっていく最中で国内の思想を統制する流れが強くなり、その矛先は、創価学会の前身である「創価教育学会」にも及んだ。牧口氏は政府の思想統制に断固拒否の態度を貫いた。その結果、治安維持法および不敬罪で投獄され、牧口氏は獄中で命を落とした。

その意志の一部が受け継がれ、創価学会は、権力による弾圧から人権を守ることを理念にし、公明党は綱領の第一条に「人権の尊重」を明記するなど、まさしく「人権の党」としてスタートした。


虐げられる者に寄り添う党として恥ずかしくないのか

阿鼻叫喚のウイグル強制収容所、生きたまま臓器を抜き出される悲劇、広島より1375倍も大きい核実験──それらは、かつての創価学会が戦ってきた人権弾圧とは比べ物にならない。

衆院選のマニフェストに申し訳程度の批判を掲載したものの、中国の人権弾圧に沈黙を保つ公明党の基本的な姿勢は変わっていない。世の中から見捨てられた者、虐げられた者のために戦ってきた公明党はどこに行ってしまったのだ。こうした自己矛盾に、地方の公明党議員ですら党の執行部に対して不満をあらわにしているという(*)。公明党、そして創価学会こそ、中国の人権弾圧に対して断固戦うべきではないだろうか。

(*)篠原常一郎著『「シン・共産主義革命」工作』(育鵬社)

 

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