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香港高等法院(高裁)は27日、香港国家安全維持法(国安法)の国家分裂扇動罪とテロ活動罪に問われた元飲食店従業員の被告(24)に対し、有罪判決を言い渡しました。2020年7月に国安法が施行されて以降、同法違反での有罪判決は初めてとなります。

《詳細》

被告は2020年7月、「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ 時代の革命だ)」という反政府デモのスローガンが書かれた旗を掲げてバイクで繁華街を走り、制止しようとした警察官3人にぶつかり、軽傷を負わせました。

バイクの速度は時速約20キロメートルだったと報道されており、被告は「警官にぶつかったのは故意ではない」などと主張しています。裁判では被告がバイクに掲げていた旗のスローガンに「国家分裂」の意味があるかが最大の焦点となりました。

専門家の意見は分かれたものの、裁判官は「被告はスローガンが中国からの香港分離を意味すると理解していた。スローガンを見せることで、意図的に他人を扇動した」として、有罪としました。さらに、重大な暴力で社会に危害を与えたとも述べ、同法が禁じる国家分裂とテロ行為にあたると判断したといいます。

量刑は、情状面の審理などを経て言い渡される予定です。

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