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中国で若者を中心に広がる「あくせく働くのをやめて、ゆとりある生活を送る」ことを目指すグループのSNSへの投稿が当局の規制を受けていることを、5日付米ニューヨーク・タイムズ紙が取り上げました。

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「タンピン(Lying flat: 寝そべる)」と名付けられているこのグループは、「工場勤めをやめ、四川省からチベットまでバイクで旅をし、その日暮らしをしながら貯金を切り崩して過ごす」生活を始めた青年Luo Huazhong氏の生活スタイルがインターネット上で賛同を得る中で生まれました。

「タンピン」の若者たちは、「結婚せず、子供をもうけず、定職に就かず、家や自動車などを持たない」といった、中国政府が人民に推奨するのと真逆の生活を送ります。

当局は、SNS上で20万人規模の、「タンピン」のグループについて投稿を禁止。ニューヨーク・タイムズ紙が入手した通達によれば、5月に当局のネット規制局から、「タンピン」に関する投稿を「厳しく禁止する」という命令が出されているといいます。

中国共産党の広東省委員会の公式新聞である南方日報のコメンテーターは、「タンピン」を「恥ずべきこと」と呼んでいます。これに対してLuo氏は、「私はゆったりとしたライフスタイルを選ぶ権利がある。私は社会を壊したいわけではない。どうして低賃金の工場で一日12時間働かなければいけないのか、それは正義なのか?」としています(5日付同紙)。

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