2021年3月号記事
ニッポンの新常識
軍事学入門 8
戦車を棺桶にしたドローンの衝撃
社会の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」について、
専門家のリレーインタビューをお届けする。
竹内 修
去年、世界が衝撃を受けた出来事は、アルメニアとアゼルバイジャンが軍事衝突し、勝敗を分けたのがドローン(無人航空機)だったことです。
アゼルバイジャンは旧式の航空機を囮に使い、アルメニアの防空体制を把握した後、自爆型ドローンを投入。ドローンで防空網を突破し、一説にはアルメニアの戦車130両以上を破壊するという戦果を収めるなど、事実上初めて正規戦でドローンが活躍しました。
ドローンは、高い技術力がない国でも比較的安く生産でき、たとえ撃墜されても操縦士が亡くなることはなく、捕虜にされる恐れもありません。
少子高齢化が進む国では、ドローンの導入は不可避となっており、人口が増えているアメリカでさえ、全航空機の6割はドローンが占めています。