2020年12月号記事

 

Divine Economics

 

サプライサイド経済学の父 ラッファー博士

レーガンとの出会い

 

Part 05

 

州知事以前からレーガンを知るラッファー博士に、
出会い、そして大統領になるまでを語ってもらった。

(聞き手 長華子)

 

トランプ大統領の経済顧問

アーサー・B.ラッファー

プロフィール

1940年生まれ。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で博士号を取得。経済調査とコンサルティングのラッファー・アソシエーション会長。サプライサイド経済学の父。レーガノミクス、トランポノミクスを導いた。大統領選挙中よりトランプ氏の経済政策顧問を務める。著書に『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)、『トランポノミクス』(幸福の科学出版)などがある。

──今回はレーガン大統領との思い出についてお聞かせください。

ラッファー氏(以下、ラ): 私が考えたこんな言葉から始めるのはどうでしょうか。

「レーガン政権下では、最悪の日であっても、他のどの大統領の最良の日よりも素晴らしいものだった」

この言葉が文字通り正しいと言うつもりはないし、大変な日もあったのは事実です。しかし当時の楽観主義、アメリカの好況感や、国民の一体感を反映した言葉ではないかと思います。

私がレーガン大統領のことを敬愛しているのは、その人柄にあります。彼は洗練されていて礼儀正しく品がよかった。思いやり深く、かつ慎重なところがある人でした。それは父親がアルコールに依存していたことと関係があるかもしれません。依存症の人の子供は極めて用心深い性格になると言われています。

どんなに大変な日でも服装は完璧。汚い言葉を使ったり、怒ったりするのを見たことはありません。公の場でも私的な場でも、いつもエレガントでした。レーガンのように振る舞う人物はほかに出会ったことがありません。おそらくカメラで一日を撮影しても、彼がひどい振る舞いをする瞬間を撮影することはできないでしょう。道徳性、正直さにおいて頂点に立つ人物だと思います。

 

 

次ページからのポイント

リベラルから改心したレーガン氏

減税政策で大統領選に勝利する

大統領就任初日の3つの偉業