要望書を読み上げる壹岐氏(左)、釈氏。
幸福実現党は8日、安倍晋三首相に対し、「緊急事態宣言の早期解除を求める要望書」「我が国のエネルギー安全保障のため全国の原子力発電所の速やかな再稼働を求める要望書」を提出した。
提出したのは同党党首の釈量子(しゃく・りょうこ)氏、政務調査会エネルギー部会長(兼)神奈川県本部統括支部代表の壹岐愛子(いき・あいこ)氏。それぞれの要望書の概要は、以下の通り。
緊急事態宣言の早期解除を求める要望書
緊急事態宣言の発令で、日本経済は深刻な影響を受けている。中小企業の6割以上は、6月に経営危機に陥るとの調査もあり、経済活動の再開は待ったなし。大企業も安泰とは言えず、国内工場や交通インフラの機能不全などが起きれば、日本経済は大打撃を受け、失業とそれに伴う自殺者も増加しかねない。
政府は当初より、感染症の専門家の見解を根拠に判断しており、経済や教育、人々の心理面に与える影響への配慮が不足している。長期的かつ大局的な視座に立ち、いかに国民の生命・財産を守るかについて、知恵を振り絞るべき。わが国及び自治体の財政状況に鑑みても、休業要請と補償を続けることは現実的ではない。
オンライン受診の普及促進などを通じた院内感染の防止をはじめ、人と人との接触の機会を減らすための、業態に応じた工夫を徹底させるなど最大限に感染拡大リスクを抑制した上で、自粛ムードを一掃させる情報発信を行うべき。
移動の自粛要請や外出自粛及び休業要請等は、地方経済を破壊させかねず、営業時間の短縮も、客足を集中させるなどして、感染拡大阻止に向けて逆効果にもなりかねない。よって、日本政府に下記の項目を要望する。
一、緊急事態宣言を早期に解除し、感染症の対策と両立しつつ、経済活動の再開を進めること。
一、コロナウィルスに感染しなくても、鬱・借金などで自殺者が増える可能性が高いため、その対策を早急に進めること。
エネルギー安全保障のための原発再稼働を求める要望書
コロナ・パンデミックを引き起こした中国共産党政府は、その責任を米国に転嫁するばかりか、各国が混乱する隙を突いて軍事挑発を行っている。今後、台湾近海や南シナ海で軍事衝突が起こる可能性は十分にあり、加えて中東でも紛争リスクが高まっていることから、我が国の海上交通路(シーレーン)は、大きな危機に直面している。従って、シーレーンを経由する石油やLNGへの依存を減らすため、原子力発電所の再稼働を進めなければならない。
原発再稼働が進まない大きな原因は、原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査が、事実上「再稼働の許可」のように誤認され、それを政府が追認していることにある。
貴職は「新規制基準に係る適合性が確認された原発については、その判断を尊重し再稼働を進める」との国会答弁を行い、いわば貴職主導で、規制委の審査合格を原発再稼働の前提条件とするような裁量行政を行っている。このことは、法治国家として不適切であるだけでなく、国家の大局を踏まえて原発再稼働を決断すべき立場にある貴職が、その責任を規制委に転嫁していることに他ならない。エネルギー安全保障の観点から、貴職に全国の原子力発電所の速やかな再稼働を重ねて求め、以下の項目の実施を要望する。
一、貴職による「新規制基準に係る適合性が確認された原発については、その判断を尊重し再稼働を進める」との国会答弁を撤回し、実質的な安全性が確保された原発については、政府の責任において直ちに再稼働を進めるよう方針を変更し、表明すること。
一、原発再稼働にあたり、規制委、地方公共団体及び原子力事業者に責任を転嫁することなく、貴職が前面に立ち、国家としての大局を踏まえた決断を政府の責任で行うこと。
一、特に、首都圏の重要電源である東京電力柏崎刈羽原子力発電所については、令和元年に原子炉設置変更許可が完了した6、7号機を速やかに再稼働させるのはもちろんのこと、1~5号機についても、地元の政治状況により廃炉を余儀なくされることがないよう、貴職が前面に立ち、国家としての大局を踏まえて、政府の責任で今後も運転を継続すること。
【関連サイト】
幸福実現党 公式HP
【関連記事】
2020年4月24日付本欄 幸福実現党が武漢ウィルス研究所等への査察と地球温暖化対策の見直しを求める要望書を提出
https://the-liberty.com/article/17052/
2020年3月5日付本欄 幸福実現党、習氏の国賓来日の撤回、武漢への国際機関の調査などを安倍首相に要望