習近平・中国国家主席に向け「香港の人々を中国に拉致する合法化を許すな」と訴えるプラカードを掲げるデモ参加者。海外へのアピールのため、英語や日本語で書かれている。

2019年8月号記事

ニュースのミカタ 特別編 2

インタビュー

「逃亡犯条例」改正デモを中国民主化への力に

香港の戦いは終わらない

香港の民主派団体を代表する著名な民主活動家に、その思いを聞いた。

(聞き手 福の科学国際政治局 小林真由美)

香港民主党 元主席

アルバート・ホー

プロフィール

(Albert HO・何俊仁) 1951年生まれ。香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)主席。香港大学法学部卒業。香港立法会(国会)元議員。

──逃亡犯条例に反対する、過去最大規模のデモが起きました。

アルバート・ホー氏(以下、ホー): 今回のデモは、条例に対する不満と怒り、香港人の政府への不信感が爆発したものでした。

デモの直後、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は条例改正を進める意向を示し、市民をさらに怒らせました。

その後、条例改正の「無期限延期」を表明しましたが、十分な措置とは言えません。条例の完全撤回、行政長官の辞任を求める声が高まっています。デモ隊は「暴徒」ではありません。

しかし、 200万人を超える香港人の抗議の声を世界に伝えられたことには、大きな意味がありました。「一国二制度」として香港に約束されていた高度な自治が奪われている状況を訴えることができたからです。 中国への国際的な圧力が高まることを期待しています。