2019年7月号記事

国造りプロジェクト Vol.08


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Interview

日本が中国に勝つ戦略

日本が中国に負けない、具体的な国防体制について話を聞いた。

元航空自衛官

河田成治

(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治を教えている。

安倍首相は5月、「2020年に新しい憲法を施行する」と明言しました。憲法9条に「自衛隊」を明記して自衛隊を合憲とし、違憲論争に終止符を打つつもりです。

合憲になるものの、実態が変わるとは思えません。自衛隊を憲法に明記すれば、20ページから紹介されている中国の侵略に対処できるのか否か。それこそが、最も議論されるべき改憲論争でしょう。

戦後の日本は、憲法の規定により専守防衛を維持してきました。これにより、アメリカが攻撃の「矛」となり、日本は防衛の「楯」になるという役割分担がなされています。

ですが、 日中戦争が起きれば、矛であるアメリカが一時的に撤退し、盾である日本だけで戦わなければなりません。その戦いに勝ち目はあるのでしょうか。

本来、自衛隊を「軍隊」とし、あらゆる有事に対応できる憲法や、民兵に対処する法律を制定するなどの法整備が望まれます。

次ページからのポイント

新兵器で中国の攻撃を無力化

膨張する中国を封じ込める